3月19日 胸中の手記 本当のところ
3月19日 火曜日 晴れ
床を拭いていた。部屋のものを、何もかも全部捨ててしまって、本と机と楽器だけで暮らして行こうか、と考えて、風呂に入る。
頭と体を洗い終えて浴槽に浸かったところでインターホンが鳴る。
荷物を運んできた。
紙を買ったのである。タオルだけ巻いて出ると、係の方が驚いて、部屋の前でうんざりしていたのに大慌てで謝りながら荷だけ手渡して去って行く。
暮らすのにはやっぱり服も必要だと、クローゼットをじっと見た。
けれど本当のところ持ちたいのは、気に入った体と脳と魂と、愛を持っているという自覚である。
難しいです……。