東京まで小早川秋聲『國之楯』をみに行きたい。

気付いたのが遅かった!

会期は、今月の16日までらしい。

以前に、この作品にまつわるドキュメント番組で知った。また、故高畑勲さんが出演されていたのでよく覚えていた。

タイトルが何回か変わっているらしい。

最初は『軍神』というタイトルで、桜の花びらが散り顏のあたりは光輪に包まれていたらしい。

陸軍から受け取り拒否をされて、手元に戻ってからは『大君の御楯』『國之楯』と加筆しながらタイトルも変わっていったという。

終戦後に「名誉の戦死」を賛美するかのような桜の花びらを、自ら黒く塗り潰したという。

横たわる兵士の顔は、寄せ書きをされた日の丸で覆われ分からない。

それがかえって、絵に向かい合った人がこの兵士に先祖や自分を重ね合わせるような生々しさを感じさせるのかも知れない。

この顔なき、兵士の死は自分の死であるかのように。

戦争あるいは大きな事に関わるうちに、顔を失っていく自分。

名も無き犠牲者の魂が、ほんとうにこの絵の闇の中に静かに横たわっているようだ。

みる者に、何を伝えようとしているのか。

いつか、直接感じてみたい


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