ランティスPが樋口楓さんの配信に出たのを見たよ

見たよ。という話。

※ 以降、もしかすると樋口楓さんに対して少し辛めに批評をしているかもしれず、そういうのが苦手な方はブラウザバックお願いします。

昨日、アーカイブを見た。実はリアルタイムでも一瞬見かけたんだけど、すぐ止めてしまった。理由は2つあって……

まず、(これは完全に個人的事情によるもので詳細は割愛するけど)僕は、特に音楽業界の人に対して、プロってだけで何でもかんでも「すげー!」「かっこいーー!」と騒ぐ人達が苦手なのだ。
もちろん、本当にすごいことをしてる人に「さすがプロ」って言うのはいい。そうじゃなく、単にプロだからって理由で何でもかんでもすげーかっけーフィルターを通してしまう人がダメなのだ。え、別に大したこと言ってなくない? みたいな発言に「さすがプロは違うなー」って反応見かけると気分が滅入ってしまう。
当日も、配信開始早々チャット欄やTwitterのTLでそんなコメントが散見されるようになって、すぐさま退散してしまった。まぁ、若いリスナーはそういう業界にキラキラした憧れを抱いてるかも知れないので仕方ないっちゃ仕方ないんだけど……でろーん、あんたがそういうノリで反応してたらあかん。あんたもう同じ業界の人間やで。

もう1つ、理由があるとすれば……ランティスが樋口楓、あるいはにじさんじ、VTuberをどう思ってでろーんに接しているのか。ランティスが樋口楓をどう売ろうとしているのか、知るのがちょっと怖かったからだ。
本当にでろーんというライバーを知って活かそうとしている人達なら良いが、決してでろーんの為にならない、ろくに彼女のことを理解しない人達だったら……

ということで、日を改めて昨日、落ち着いた環境で、コメントをシャットアウトして配信を見た。

結論から言えば、ランティスの担当P(よしP)、担当D(ながD)は予想を超えて、とても実直でまともな人たちだった。樋口楓を過大評価も過小評価もせず、彼女の良さと課題を正しく理解していた。アニソン業界という、Vとは似ていながらもかなり違う文化を持つ世界から一歩引いた視点で、樋口楓・にじさんじ・Vtuberをきちんと理解しようとしていたし、実際配信中に語られる彼らの理解は正しいといえるものだった。
……いや、正しいとか正しくないとか何様だ。すいません。要は、僕が普段接して理解している樋口楓像と、彼らが語る樋口楓像がほぼ一致していたのだった。

配信中、「文脈」という言葉が出てきたが、間違いなくこれは樋口楓を理解するためのキーワードだ。
僕はVtL両国の感想をしたためたnoteに、こんなことを書いた。

僕らは、普段の配信で見ている彼ら彼女らのストーリーをステージ上で見せてもらうのを期待しているのだろう、と思う。
(略)
にじさんじを推している人間は、にじさんじやライバーのサクセスストーリーを追っている面が多分にあって、特にでろーんはその傾向が強いように思う。

ここでいう「ストーリー」とは「文脈」、つまり、ライバーとしてのでろーんの背景やデビュー以降の歴史、そして彼女自身のパーソナリティのことだ。
でろーんの歌がエモいのは、彼女が歌うからではない。彼女の「文脈」が、彼女自身がエモいのであって、歌はその表現手段でしかない。

だから彼女にとって「文脈」は武器なんだけど、一方で究極の弱点でもある。文脈を共有しない人に、樋口楓のエモさはなかなか伝わらないからだ。つまり、「アーティスト・樋口楓」はハイコンテクストなコンテンツなのだ。(「ハイコンテクスト」とは、文脈=コンテクストの理解を大量に必要とする、という意味)

僕はKANA-DERO終演後に1時間以上涙を流して泣いたけど、よしP・ながDは最初何がエモいのかわからなかったと認めている。
この現象は、恐らくにじさんじを知らない人だけじゃないはずだ。2019年以降もにじさんじは急成長し、本当に多くのリスナーを獲得したが、昨年以降入ってきたリスナーはでろーんのエモさを半分も理解できないだろう。別に古参面したいのではなく、それが現在の樋口楓の弱点だと言いたいのだ。
でろーんたちが歌った "Virtual to LIVE" のオフィシャルバージョンよりも、さんばか(リゼ=ヘルエスタ、アンジュ=カトリーナ、戌亥とこ)が歌ったカバーの方が感動した、と言った人が既に多数いるのだ。その状況下で KANA-DERO と同じことをもう一度やったとしても、厳しいだろう。

よしPは、そういった「文脈」や、文脈の供給源だったファンメイドの曲がいかにでろーんを支えているかを認めつつ、「いつまでもそれが中心ではいけない」と発言していた。まっとうな見解だと思う。
でろーんがアーティストとしても活動できるよう、先を見据えたプロデュースをしようとされてるんだな、と感心したし、正直、安心した。これこそ「さすがプロだな」と言いたくなった。

きっと、この担当さんたちは、あるいはランティスは「当たり」だったと思う。でろーんはそういう意味で幸福だし、まぁきっと当面、悪いようにはならないだろう。配信、見れてよかった。


一方。

わからん……まじでわからん……
ソニーさん、委員長をどうしたいんや……

ま、まぁ、詳細は25日にあるイベントで明らかになるんやろ……
と思っていたが。

■ゲスト出演者:本間ひまわり

…………ひまちゃん??

いや、ひまちゃん好きだし嬉しいけど、あれ委員長のデビュー記念イベントじゃないの?
てっきり、レーベル所属の人とか、せいぜい歌系のVtuberがゲストかな、って思ってたんだけど……
もしかして、今までどおりの普通のイベント?

うーん、わからんな。
今のところ、メジャーデビューと称して委員長が新たな遊び場を確保しただけにしか見えないのだった。

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