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のりトースト、カレー、皇居巡り

桜の季節になりました。花粉、桜、嵐、年度末。花粉桜嵐年度末! とても花見などしていられる季節ではありませんが、たまたま良い天気の日があったので、出かけました。皇居です。

先ずは、かねてより行くつもりだった喫茶に寄ります。神田の老舗『エース』です。駅から通り二個分くらい離れるので、歩いてすぐではありますが、この道でいいのか……? となります。
神田は名前が上品な感じですけど、駅前はかなり歓楽街です。主観ですけど、そんな感じがします。

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求める『エース』は、そんな歓楽街に、時が止まったように在りました。
紅白のテント屋根。木目調の看板に並ぶコーヒーのレパートリー。
ここです!

ドアを開けば、クラシックな内装は重厚系ではなく、70年代レトロモダンといった雰囲気。やはり紅白のテーブル、貼り革の椅子。全体的に手書きっぽいメニューには珍しいコーヒーが幾つも並んでいます。

そうだな……、いちばんお薦めらしい、ゴールデンキャメルにしましょう。そして、今日はこれを食べに来た……のりトーストです。入り口に大きく、テーブルにミニチュアの、のぼり旗を掲げる有名なメニューです。

浅草橋の方にも、老紳士のご兄弟が黙々とコーヒーを淹れるお店があるのですが、やはりのりトーストがあります。こちらの『エース』が(のぼり旗を見る限り)のりトーストの元祖だそうなので、教わったのでしょうか。

のりトースト_50per

待っている間に回りを見渡すと「世界の珍品コーヒーフェア」という文字を目にしました。珍しい種類を期間限定で頼めるようです。例えばインド……インド? 調べたら、コーヒー大国らしいですね。知らなかった。

お客さんは常連のお年寄りと、名前を聞いてやってきた若い人達、といった感じでした。コーヒーを淹れる様子は見ていないのですが、確かサイフォンです。実験器具のようなサイフォンは、格好よくて好きです。

そうしているうちに、ゴールデンキャメルのコーヒーが来ました。のりトーストも! これがそうか……。薄めのパン、海苔、パンの組み合わせが二回。合わせてパン四枚重ね。これ、二つに分けられそうですが……、間にバターが塗られているように思えたので、四枚重ねでかぶりつきます。

おお……これは……バターと海苔、そして強めの塩気。かなり塩辛いですが、そこにバターの甘さが来て、美味いです! 何故こんなにシンプルなのに美味いのか。コーヒーもコクがある……これがサイフォンの味だ。いや、どちらも大変美味しいですね。いい所に来た。

のりトースト、しかもこの味で200円です。お代わりしたい……。他の特殊なコーヒーや、ドーナツなども気になりますが、また来ましょう。


さて、皇居を歩いてみます。一周して分かったのですが、桜が密集して咲いているのは千鳥ヶ淵周辺だけ。外周全体の三分の一ぐらい? でした。今まで知りませんでした。

ひっきりなしにやってくる、ジョギングする人を避けながら歩いてゆくと、国会議事堂が見えたり東京駅の正面にあたる広場に出たりと当然ながら東京尽くしであります。

禁止されていると思うんですが、花見の弁当を広げている人もいました。皇居は警察が巡回している筈だから、じきに注意されてしまいます。

それと、千鳥ヶ淵といえば手漕ぎボート乗り場です……今日みたいな晴れた日は、それはもう混んでいます。あれは選ばれたカップルしか乗船できないものです。いいなあこん畜生が、楽しんでいけ。

皇居全体は、ゆっくり歩いて一時間半といった所でしょうか。また神田あたりに戻ってきたので、ここで離れることにします。
桜の花も充分見ることができました。


昼の時間です。神保町に出ましたので、カレーにします。神保町は古本とカレーの街です。神田カレーグランプリ(去年からコロナ禍で中止したままですが)が毎年開催できる程、選択肢は様々ですが、今回はヒナタ屋さんに行ってみます。

振天堂ビルという大変古い三角形のビルがありまして。ここの螺旋構造の曲がり階段を1.5階くらい登ると、エレベータがあります。到着しても階数ランプが光るだけで、開きません。ドアは手動式だからです。手を離すとすぐ閉まるので、挟まれながら籠の中へ入ります。

普通に使えば安全ですが、変な使い方をしたら想像するだに恐ろしい武骨なエレベーターなので、決して無理をせず利用します。緊張感がありますが、この手動式エレベーターが振天堂ビルの大きな魅力です。

三階に到着し、さらに階段を少し登れば四階の『カフェ・ヒナタ屋』さんです。この間取り、お洒落ですよね。三角形のビルってことは内角が90度以下なわけです。つまり両側面の窓と窓が四角の部屋より接近しており、外に開けた雰囲気がより強いです。明治大の大通りと、分岐した小道が見渡せるような感じで、大げさに言うと、空中に居る感じがします。

そして内装もこういう部屋が欲しいって感じで適度に意識の高さがあり、お洒落なので真似したいです(自宅の部屋が奇跡的に片付いたら)。

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カレーは色々ありますが、月替わりの物があります。今月は「粗挽きソーセージとシャキシャキレタスのカレー、カッテージチーズのせ」です。盛り付けも洒落た感じですね。学生向け大盛り系でもなく、老舗っぽくもなく、街歩き系の雑誌に載っていそうな映える感じです。

味はインドカレーと欧風の中間を取ったような美味しさです。物凄い個性的ではないけれど、しかしスパイスから作ってる感じです(『共栄堂』とか、神保町は個性的なカレーが多すぎるのです)。スパイス入りのお茶も売っているので、帰りにチャイを買いました。

後は古本屋を見て回りましょうかね……探している物が無いわけでもないので。神保町も古本単推しから、飲食店を兼ねる店が徐々に増えてきて、変化を感じます。カレーと本という組み合わせになったのが不思議ですけど、いつ行っても変わった本が手に入るので面白いです。

そんな感じで次はツツジを見に行きたいのですが、こっちはメインのつつじ祭りをやっている神社がコロナ禍で中止です。
花見はしばらくできそうにありません……。

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