福岡市の予算案に「多胎児世帯向け」項目が明記!市長発表で期待される支援拡充と今後の課題とは
福岡市を拠点に双子や三つ子などの多胎育児を支援する一般社団法人tatamamaです。
多胎児ママ(以下:タタママ)にやさしい街づくりを目指し、公式LINEによる多胎育児情報の発信や多胎児世帯交流会、専門家相談会などを開催しています。
この度、令和6年度の福岡市の予算案において「多胎児世帯向け」の項目が福岡市長から初めて発表されました。
今回の記事では、この予算案が成立した経緯と、私たちがどのような働きかけをおこなったのかをご紹介します。
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多子世帯と多胎児世帯の違いとは?
まずは、多子世帯と多胎児世帯の違いについてご説明します。多子世帯とは、扶養する子どもが複数いる世帯を指します。子どもの数が2人以上なのか、3人以上かは各市が定める定義により異なります。
一方で多胎児世帯とは、双子や三つ子のように“同時に”複数生まれた子どもがいる世帯のことです。
「多胎児世帯」は「多子世帯」であるものの、多子世帯向けの支援だけでは補いきれない部分があります。必要な支援を実現するためにも、タタママたちからの具体的な声を行政に届ける必要がありました。
現場の声を受け、行政に働きかけをおこなったストーリーは以下の記事でも紹介しています。ぜひご覧ください。
とある議員との出会いからつながった行政への架け橋
このような状況の中、私たちは福岡市市議会議員である、調崇史(しらべたかし)議員と出会いました。
調議員は子ども教育委員会に所属されており、福岡市の子育て支援政策に非常に前向きで、タタママの課題について耳を傾けてくださいました。
自民党市議団の令和6年度政策要求に多胎児世帯に関する事項を盛り込み、市議会代表質問でタタママの現状に触れるなど関心を寄せてくださっています。
調議員との出会いもあと押しとなり、2023年11月30日には福岡市の子ども未来局との意見交換会が実現しました。
意見交換会にはtatamama理事メンバーが出席。当事者目線から、多胎育児の大変さやサポート体制における課題をはじめ、さまざまな意見を伝えました。
「多胎児世帯向け」の項目を明記した新予算案が発表
子ども未来局との意見交換会を通じて要望が市に伝わり、福岡市の予算案に「多胎児世帯向け」項目が明記され、市長会見の場でも発表されました。
また、タタママに対する支援内容もより充実したものとなっています。具体的な内容は次のとおりです。
産前・産後ヘルパー派遣の外出支援を20回追加(もともと利用可能であった40回に加えて合計60回の利用が可能となった)
多胎児の場合、2人目以降の産後ケアの利用料が無料
産前・産後ヘルパー派遣とは、妊娠中や出産後に、家事・育児などをサポートするためのヘルパーを派遣するサービスです。
<事業所一覧はこちら>
産後ケアとは、出産後に心身の不調や育児への不安がある方を対象にした、医療機関や助産所などでおこなうサポートのことです。
「多胎児世帯向け」として独立した予算案が盛り込まれたため、今後ますます多胎育児についての関心も広がっていくことに期待が高まります。
しかし、タタママへのサポート実現には課題も残っています。例えば、産前・産後ヘルパー派遣の回数増加に対しては、供給量の不足が懸念されるなどの問題もあります。
予算案が変わったことをベースに、現場のタタママに支援が確実に届くよう、体制作りや関係機関それぞれの連携が必須と考えています。
多胎育児の当事者以外にもうれしい影響
今回の予算案変更により、私たちのInstagramの公式アカウントには多くのメッセージが寄せられました。
メッセージの送り主はタタママだけではなく、多子世帯のママさんも含まれていて、多胎育児当事者以外にも私たちの活動の重要性がしっかり届いていると感じています。
多胎児支援は、すべての子育て支援の拡充にもつながるものなのかもしれません。私たちの活動がさらに広がりを持つことで、理念に掲げる「子どもや高齢者、障がい者も含む、すべての人が生きやすい社会の実現」を目指していけると考えています。
それらを実現するためにも、今回のように一般社団法人であるわたしたちと、行政機関含む関係各所が手を取り合い、環境を整えていく必要があります。今後、理念に共感してくださるより多くの仲間に出会えるよう、引き続き活動を続けていきます。
ぜひ応援のほど、よろしくお願いいたします。
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