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かーちゃんに説明する仕事シリーズ 5~ルーティングについて~

(↑の続きです)

ここまで『IPアドレス』と『DNS』についてお話してきた。
もう一度内容を整理すると、以下の通り。

①iPhone等に検索したいワードを入力して検索
②はじめに『DNS』と通信し、検索ワードと紐づく『IPアドレス』を確認
③『DNS』で確認した『IPアドレス』にて、再度通信
④サイトを閲覧

ネットワーク(インターネット)の繋がる仕組みは、なんとなく理解できたと思う。

さて、ネットワークについてもう少しお付き合い頂きたい。
今までの話は、電話のかけ方を説明したようなものである(電話番号の表記法(=IPアドレス)や、電話帳で電話番号を確認する作業など(=DNS))。
最後に、普段意識しない『ルーティング』のお話をして、本シリーズを終わりにしたい。『ルーティング』技術こそ、ネットワークの神髄である。

郵便ネットワークとIPネットワーク

※以降、他のネットワークと区別するため、IPアドレスを使ったネットワークを、IPネットワークと記します。

まずは郵便を例に説明する。ポストに投函された手紙は、配達員の手に渡り、最寄りの郵便局へ、さらにその地域を管轄する郵便局へ、あたかもピラミッドの階層を上るように運ばれる。そして、宛先を知る郵便局まで到達すると、今度は下るように手紙を運ぶ……。

プレゼンテーション5

上図は、Microsoft PowerPoint にて作成。一部オンライン画像を使用。

IPネットワークも、上記の図と同じような流れで通信を送るイメージだ。
……否、厳密に言うと『IPアドレス』は階層構造ではない気がする。が、本シリーズではイメージしやすく階層構造として説明させて頂く(多分郵便も、厳密にいうと違う気がする……)。
この一連の流れを、IPネットワークの世界では『ルーティング』と呼ぶ(ルート+ing(現在進行形)で、ルーティング)。
そして、この『ルーティング』をおこなっているのが、『ルーター』という機器(機能)である。

ルーティングの動作について

では、ここから更にルーティングの動作についてみていく。
ここでは試験会場へ向かう受験生を例に、2つのルーティングを説明する(いちいち例え話が変わりすみません……)。

・デフォルトゲートウェイ
・スタティックルート

・デフォルトゲートウェイ
まず受験生は、家を出るため玄関に向かう。
受験生だけではない。外出する時、家族は全員玄関を通るはずだ。
この玄関が、IPネットワークの世界でいうデフォルトゲートウェイに相当する。つまり、通信を開始した時の、最初の行き先となる。
デフォルトゲートウェイの設定をみてみよう。

・一例(iPhoneの場合)
Wi-Fiを繋げている状態で
「設定」→「Wi-Fi」→接続中のWi-Fi機器(チェックマークが付いてる)の右側の(i)をタップ
下の方のIPV4の中に、ルーターと書いてある。

画像2

上図のルーターと書かれている値(192.168.10.1)が、このiPhoneのデフォルトゲートウェイとなる(Windows PCとかだと、デフォルトゲートウェイという名前になってる)。

・スタティックルート
説明しやすい状況とするため、受験生が試験会場の最寄りの駅まで着いたとする。すると、[試験会場はこちら]と書かれた看板を持ってる案内人がいる。この案内人が『ルーター』であり、看板に書かれている文字が『スタティックルート』である(ちなみに、看板のことをルーティングテーブルと呼ぶ)。

プレゼンテーション6

上図は、Microsoft PowerPoint にて作成。一部オンライン画像を使用。

受験生はこの看板の案内通りに進めば、迷うことなく試験会場にたどり着けるという訳だ。併行して話を進めてしまっているが、IPネットワークの世界でも理屈は同じである。ルーター(案内人)が指した先にルーター(案内人)がいて、その指す先にもルーター(案内人)がいて……という具合に。
一応、気を付けるべき点として、受験生(人間)は通った道を覚えられるので、帰りは案内人がいなくても帰れる。しかし、機械はそこまでお利口じゃないので、帰りも同じように道案内(ルーティング)してあげる必要がある。(看板に[受験生の自宅はこちら]という名の『スタティックルート』を追加してあげればOK)。

IPネットワークの考えはシンプル

どうだろう。
ルーティングという技術があれば、極端な話、日本から地球の裏側まで行くことも可能なのである。
この技術がすごいのは、考えがものすごくシンプルなところにあると考える。ルーターは来た通信に対し、今持ってる看板の中で道案内をするだけでいい。その後のことはどうでもいいし、看板に書かれてないことは知りませんで終わりだ。これは現実の案内人でも同じだ。この場で試験会場は案内するけど、その人が本当に目的地へたどり着いたかどうかは知りえないし、また、それ以外の場所について聞かれても「知らん」という感じだ(ちょっと冷たい気もするが……)。
そういう意味でいうと、『ルーター』はそれひとつで完結した存在といえる。

おわりに

シリーズ1にて↓

本シリーズの目的は、タタハムがIT業界でどんな仕事をしているのか、何となくイメージしてもらえるようになることです。

と記したが、ぶっちゃけシリーズ2の地点で、その目的は果たしたような気がする。でも、それだとなんかあっけない気がしたので、IPネットワークの話も簡単ではあるが語ってみた。息子の仕事に関する"ぼやき"の意味が少しでも分かって頂ければ幸いだ。

特に面白いことも言えないので、これにて終了です。
ご清覧ありがとうございました。

おわり

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