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震えで包丁が定まらない

tatacuuc
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私は両親が避妊に失敗して生まれた子供だ。

悪童日記をふたつに裂いたら、四季の移り変わりが極端になった。
裂いてないけど。みんな死ねばいい

十代の陰鬱さをたっぷり込めてぐつぐつした鍋を混ぜる混ぜる。
おすそ分けしようと思って、車に積んで夜中にパジャマで飛び出して、倉庫に着いた。
染みのいっぱいついたソファを背もたれにして床に座ってる人にあげた。
クズが。

その人を乗せて橋を渡ってしばらくして、大きな公園に着いた。
車内では最低な気分だった。なにも大きなことはしでかしてないのに。なんでだろう。
鍋は空っぽだったけどそれはどうでもよくて、世界が既に終わってるような感覚になって、少し気分がよかった。
よかったのに。24分の4時間もすれば、すごい煌々とした天気になって目玉がつぶされる。
夜が18時間あればいいのになーと言いながら階段から転げ落ちてみた。
そんなに痛くなかったので水を飲んだ。
だってだってだってだってばかり言うソファの人を置いていきたかった。
でも割と自分もそんな感じなんじゃないかと思ったし、色々考えてしまうので置き去りにはできなかった。
次の地点に向かう途中、思い切ったことのできない自分にいらいらして、着地点を求めたけどそんなものはない。
雨降ってないのに雨の匂いだけするときみたいな、首を振って周りや上を確認するような。

ところで次の地点ってどこだろうみたいなことを、大分走った後考え出した。
横の人は微動だにしない。瞬きはしてる。

ウサギの肉を食べたいな。と、独り言を言ったら、どこかで食べれると言っていた。
肝心なところは忘れた。

夜明け前になんでもいいからけりをつけたかったけど、そんなものは予兆すらなかったので、ダルとかドローンのような
言葉の似合う最低空飛行を保った。
君に未来はあるよ。と横の人が言ってくれた。
君と呼ばれたのが嬉しかった。
大事にしてる白いゴリラのぬいぐるみをあげたい。

横の人は見てるものの大体を見下す。
最低飛行ドライブによく対応できるものだ。

夜明けがいよいよ近づいてしまって、もうどうでもいいやって思えてきたから、
適当な人気のない浜辺に行って車の中でお互い服を脱いだ。
ひざの上に乗ってきたので、そのまま海に入った。

またあした。
袋に詰められたので笑った。
あとおなじものをたくさん繰り返した。
最後にそれではって言った。
楽しいって何度も言ってた。
よかったね。
血を拭いたあと空を見たら紙吹雪が待っていたんだから。
お祭りの準備委員会の仕業かな。
ヘッドホンで気付かなかった。
最後にありがとうっていった。笑顔で。
毒の薬がこんなに素敵だなんて。
全人類ちゃんと障害者だね。

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