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東野圭吾 作品中トップクラスのミステリ

ある閉ざされた雪の山荘で 東野圭吾 講談社文庫
東野圭吾は数多くの作品を書いている。どの作品も水準が高く、人によって東野圭吾 最高傑作が変わってくる。ストーリーが秀逸な「秘密」「白夜行」、映画化もされた「容疑者Xの献身」「聖女の救済」と東野圭吾 最高傑作候補は数多いが、私は是非とも「ある閉ざされた雪の山荘で」を候補としてあげたい。

あらすじ
劇団「水滸」の次回作のオーディションに合格した男女七名は舞台稽古のためペンション「四季」に呼び寄せられる。設定は雪で覆われた山荘で予想外のアクシデントに合うというものだ。外界と接触は禁じられた状態で稽古に入るが、現実に仲間が一人また一人と消えていく。本当に芝居の稽古なのか?彼らは次第に疑心暗鬼になっていく。

まず、特出すべき点はその舞台設定である。いわゆるクローズドサークルもの(嵐や雪等、何らかの理由で外界と連絡手段がとれず、警察の介入や詳細な捜査ができない状況。探偵がでしゃばる理由付けである。)であるが、直接豪雪や嵐が来るのでなく、舞台稽古の一種であるという人間の心理を利用した外界との遮断である。お約束のパターンの脱却が図られており、リアリティが底上げされている。
また、私がこの作品を東野圭吾 トップクラスに押すのは、舞台設定だけではなくやはり終幕の衝撃であろう。
この衝撃を見破るのは至難の技である。
クローズドサークルものが読みたいのであれば是非本作を読んで欲しい。

あわせて読みたい本
むかし僕が死んだ家 東野圭吾 講談社文庫
私的には、「ある閉ざされた雪の山荘で」より衝撃度は少ないが名作であるのは間違いない

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