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普段小説を読まない人にもおすすめな国内SFミステリーの傑作

今回はミステリー小説の紹介。
「七回死んだ男」西澤保彦 講談社文庫

SFミステリーは数多くあり、どれも水準が高い。
しかし、はたから見ると設定やテーマがどうも
とっつきにくく感じてしまう。
そんな人に読んで欲しいのがこの小説である。

この小説は、SFものでは何度もテーマとして描かれている
ループものである。
主人公、大庭久太郎はそのループ体質を持っている高校生である。
しかし、この体質には条件があり
・ループに入るタイミングは制御できない
・24時間前に戻る
・ループ回数は9回(最後の9回目が決定版)
と条件があり、作中では「反復の落とし穴」と呼ばれている。この辺は、
序盤でコミカルに説明してくれる。

あらすじ
年始に親戚が集まった際に、跡継ぎを指名するはずの主人公の祖父、渕上零治郎が殺されてしまった。その時にちょうど、久太郎が「反復の落とし穴」に落ちたので、ループ体質を使い犯人を見つけて祖父を救おうと孤軍奮闘する。

異質のミステリー小説であるが、登場人物や登場人物の掛け合いはキャラ小説・ライトノベルよりであるため、とても読みやすい。
また、SF要素に関してもわかりやすい説明があり、「反復の落とし穴」に関しても無理に小難しい解釈などはなく、あくまでも舞台装置としての要素として割り切ったものである。

ミステリー要素も詳しくは書けないが、とても設定を生かしたものである。

読んでみると、ページをめくるのが止められない読みやすさと知的好奇心を提供すること間違いない作品の一つである。

普段小説を読まない人も、これを機に読んでみてはいかがだろうか。

あわせて読みたい本
リピート 乾くるみ 文春文庫
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