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日本ミステリー上、類を見ない試み
しあわせの書 迷探偵ヨギ ガンジーの心霊術 泡坂妻夫 新潮社文庫
宗教本でなく、れっきとしたミステリー小説なのでご安心を。
著者の泡坂妻夫は、マジシャンとしても著名でマジックのようなトリックで読者を驚かせる遊び心があるミステリー小説を書いている。しかし、本作は遊び心では済まされない、空前絶後の試みが仕掛けられている。
あらすじ
教祖の孫と読心術を使う女信者の間で、繰り広げられる宗教団体「惟霊講会」の2代目教祖継承問題。信者達の失踪事件を追うヨギ・ガンジーは布教用の本「しあわせの書」に出会う。ヨギ・ガンジー達はやがて継承問題へ巻き込まれていく。
本書は、文庫サイズで250P弱しかない。ミステリー小説は、だいたい350P~400Pあるのが基本だ。多い場合は上下巻分かれていたりして1000Pを超すのもざらにある。他のミステリー小説が長い読書時間をかけ驚かせるのに対し、本書は250Pで他のミステリー小説では味わうことができない驚きを提供してくれる、コスパがとてもいいものとなっている。
読み終わったらあなたも感嘆の声を思わず発してしまうであろう。
あわせて読みたい本
11枚のとらんぷ 泡坂妻夫 新潮社文庫
まさに、ミステリー界のマジシャンと言える作品である。
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