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切ない恋に隠された、驚きの計略

カササギの計略 才羽楽 宝島社文庫
あらすじ
大学生の岡部はいつも通りバイトを終えて、アパートに帰ると見知らぬ女性が座り込んでいた。彼女は華子と名乗り昔交わした約束のためやって来たのだが岡部自身覚えていない。翌日の夜に再びやって来た華子と奇妙な同棲生活を送ることになり、岡部は次第に華子へ惹かれていく。しかし、彼女は難病に侵され余命いくばくであった。残された時間を一緒に過ごしていくが彼女にはさらに隠された秘密があった。

半分、岡部と華子の恋愛小説であり登場人物が少ないためかなり読みやすい。また、序盤で美女に左頬を張り倒され部屋に上がりこまれるて次の日には同棲するという結構超展開であるため、掴みとしてはかなりの強烈さがある。中盤も彼女が難病に侵されているという恋愛もの王道の展開で読者が中だるみしないようになっている。そして終盤で華子の驚愕の秘密が明かされる。ストーリー上ありがちな恋愛小説だがいたるところに伏線が潜んでいる高水準な作品である。

あわせて読みたい本
イニシエーションラブ 乾くるみ 文春文庫
説明不要のどんでん返し小説。こちらもストーリー上恋愛小説だがカササギの計略は甘く切ない青春恋愛小説に対し、イニシエーションラブは生々しさが際立つ恋愛小説としても読める。

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