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好きだった人の話

おはよう、こんにちは、こんばんは。
最近はありがたいことに、毎日撮影関係のお仕事をいただけて、大学もあるので多忙でございます。

実際にプロの現場に行くと学ぶものが多くあって、次の撮影の時に確実に成長を実感できている現状は、カメラマンとして前に勧めている証拠なんでしょう。

今日書く内容は、好きだった人の話です。
お酒を飲んで気持ち良い感じの酔い具合なのと、完全になんの計画性もなく文字を綴っております。おそらく長いので、ご了承ください。

好き”だった”人との思い出

彼女を好きになったのはちょうど一年前、大学生になって地元から離れた僕にとっては地元以外で見るのは初めての花火大会。

男子2人女子3人の5人編成で見に行くことになり、
歩くときは前2人、後ろ3人という形で歩いていた。
僕と彼女はあまり話したことがなかったけれど、2人で歩く形になった。

あまり人見知りをしないおしゃべりな自分と、基本的には聞く側である彼女。
必然的に僕が話題を振る形になり、色々話していた。

出身はどこなのか。バイト何しているのか。好きなものは?趣味は?
まずは当たり障りのない、初めて話す人との間でよく使われる会話デッキを使い、
彼女を知ろうと思った。

意外にも共通点が多くあること、地元が同じこと、お家にいるのが好きだけど散歩は大好きだという、少し変わった部分など、だんだんと彼女という人間を形成しているもがわかってきた。

歩きながらであってもしっかり顔を見て話す。
笑うときは目を細めて、手は口元に当てる。
一つ一つの仕草が綺麗で、優しさがそこにはあった。

会場までかかるはずの30分はあっという間に過ぎていった。
会場について花火を見ているときも彼女は僕の隣にいて、
時折、「綺麗だね」とこっちを見て笑いかけてくる。

この時すでに、気にはなっていた。
ちゃんと話してまだ小1時間。
彼女の魅力や良さに引き込まれるには十分な時間だった。

花火大会が終わって解散。
その日は寝る前に、交換したばかりのLINEで、
「楽しかったね。また皆で遊びたいね。」と軽く話をして終わった。

そこから僕たちは夏休みに入った。
散歩が好きだという彼女を夜散歩に誘って、夜の誰もいない街を2人で歩いた。
「次は朝日を見に海辺を歩くのもしてみたいね。」と彼女は言った。
この頃には、いつも聞く側である彼女が少しずつ、提案や自分から話題を振ってくるようになった。そんな些細な変化が嬉しかったり、(自分には気許してくれているのかな)とか1人で考えて喜んでいた。


そこからはそれぞれが帰省したり、バイトに勤しんだり、
それぞれの夏休みを過ごし、夏休み後半へ。

旅行前に地元にいた僕は、彼女もちょうど帰省していて地元にいることを知り、思い切って夜ご飯に誘った。

2人で串系の居酒屋に入り、カウンター席の2人がけのところに座る。
最近あったことや、夏休みどう過ごしているのかなど、会っていない間に積もった、他愛の無い話をお互い話した。

会計を済ませてお店を出たが、どちらも「帰ろうか」とは言い出さなかった。
少しの沈黙の後に「もう少しだけ歩こう」と彼女は言って、
近くの少し大きな公園に向かって2人で歩いた。

今日食べた中で何が美味かったのかとか、ご飯の感想ばかりであったが、そのひと時はとても幸せだった。

いい時間になったのと、小雨が降ってきたから、散歩は切り上げて帰路についた。

そこからは互いに友達と遊んだり、旅行に行ったり、残っていた夏休みを楽しんだ。

旅行から帰り、実家から一人暮らしの家に帰る。
旅行のお土産を渡す口実に以前話していた、「朝日を見る朝散歩をしよう。」と誘った。彼女は「え!行こう!」と返信をくれ、日程を決めて行くことが確定した。

彼女はお土産で買ってきたヘアゴムをよろこでくれて、その場で身につけた。

そこから2人で海へ行き、朝日のさす砂浜を歩いた。

夏休みも終わり大学が始まってからも、時折散歩に誘ったり、屋台に行ってみたりして、少しずつ距離は近づいていた。

そんなある日、出かける約束のLINEをしている途中で未読無視になり、返信が返ってこなくなった。学校で会っても顔を合わせず通り過ぎる。

なんでかわからなかった。

何か嫌なことをしてしまったのかなど、色々考えられる可能性全てが頭の中を駆け巡る。考えても考えても心当たりはなく、わからないまま時間だけが過ぎていった。

そしてそこから半年経って僕は大学2年生になった。
理由もわからないまま冬を越して、その時には僕は好きだった気持ちにも、
諦めがついていた。

4月を迎えたある日。思わぬタイミングで理由がわかった。
その理由は簡単にいうと、誰かが言った嘘が人伝に彼女へ伝わったそうだ。

彼女の未読無視も、距離を取る行動も、全てに納得がいった。

嘘を流した人もその時にはわかったが、半年という時間をかけて広まり続けた嘘は、今更弁明できるものではなかった。

自分の周りの人には流石にそれは間違っているし、そんな事実はないことを伝えた。
それが彼女にまで届いたかはわからない。

そして時間は経って先日。

日付を跨いだくらいの時間に、コンビニに用があって家を出た。
小道から大きい通りへ出ると自転車に乗った彼女がこちらに向かってきた。

「あ、たー じゃん。こんな時間にどこ行くの?」
コンビニに用あって。。。
「こんな時間にコンビニ?笑 時間も遅いし、気をつけてね。」
うん、ありがと、じゃあね。

と、短いが半年ぶりに会話をした。

半年前にはよく聞いていた声が懐かしく感じた。
声を聞くまでどんな声をしていたのかも思い出せなかった。

彼女は変わらず目を見て話すし、笑う時には手を口元に添える。

この半年間、彼女が変わったと思い込んでいたが、変わったのは自分の方だったのかもしれない。

彼女は自分が思っているよりも周りに左右されていなかったのだろう。
嘘を聞いた当時は疑いの気持ちから距離ができていたのかもしれないが、
僕のことをよく知る人からすると、時間が経てば噂が真実かどうかなんてわかるだろう。

彼女から嫌われたくない。という気持ちから、距離をとっていたのはおそらく自分自身なんだろう。

彼女の変わらない仕草、様子から、彼女はやっぱり優しさに溢れた子なのだろう。

以前のように笑って話せるようになると良いな。


オチは特にないお話でした。

みんなの今隣にいる大切な人、気になっている子が、明日も今と同じ関係でいられるかはわからないから、後悔はないようにと思う。

眠くなってきたし、ここで終わり。

またね。

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