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人生を考えざるを得ない本『人間晩年図巻』

とんがった人の人生って、とんがっているだけのことはありますよね。自分の人生なんかそれから見ると平凡極まりないですが、とんがった方々の生きざまを立て続けに読むと、人生って何だろう、って考えざるを得ないです。『人間晩年図巻』(関川夏央著)はそんな本です。

自分は今、晩年なのか、まだ晩年じゃないのか、そんなこと、生きている自分にはわからないです。でも、人には必ず晩年があります。その晩年をいかに生きるか、難しいです。晩年だとわかっていれば、覚悟を決めてやりたいことやるかみたいな気になるかもしれませんが、それはわからない。それなら晩年だということがわかると嬉しいか、余命を知りたいか・・・知りたくないです。よく、明日死ぬかもしれないと思って精いっぱい生きろ、みたいな話がありますが、晩年かどうかわからない(わかりたくない)以上、結局そう考えざるを得ないのかもしれないです。

この本を読むと、精いっぱい生きたであろう方々の物語がこれでもかと押し寄せてきます。時代を生き抜いた人、時代に嫌われた人、自分から時代を捨てた人、浮き沈みのやたらと激しい人、いろいろありますが、どなたも手を抜かずに晩年を生きられた方ばかりです。その点で、本当に素晴らしいと思います。それに比べて自分は手抜きせずに生きているか? まだまだダメですね。

シリーズ本になっていて、全部で5冊出版されているようです。全巻読み終えてないですが、もったいないというか恐れ多いというか、ゆっくりとかみしめながらでないと読み進められないです。

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