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孤独な背中のサルに志賀高原で導かれてみた

去年の梅雨入り前、長野の志賀高原に一人で1週間くらい滞在しました。勤続35年で会社から5日間の休暇をもらえたため、60歳の節目なので一人の時間を持ちたいという思いもあり、資格の勉強本やノートPCを運び込んで宿に引きこもりました。夕食のおいしい宿で、毎日幸せでした。長めの休暇がとれる方、おすすめです!

資格の勉強がメインの目的でしたが、引きこもってばかりいても煮詰まるので、休養日を設け、丸一日トレッキングをしました。最高で1500mくらいの山を登ったり(登山というほどじゃなくてハイキング)、池の周りや湿原を歩き回りました。閑散期だったので空いていて、気持ちよく気ままに歩けました。山の駅の食堂やリフトはまだ稼働してなかったのが残念でしたが、暑くもなく寒くもなく、天候には恵まれた。

山を登る道の途中で、一匹のサルに出会いました。突然道の上に現れ、先に立って導いてくれるかのように、時々こちらを振り返りながら歩調を合わせて進むんです。一匹狼ならぬ一匹猿のようで、群れから外れたのか群れに居場所がなくなってしまったのか、孤独な背中がとても印象的でした。ひょっとして猿の方もこちらに同じようなことを感じて、一種のシンパシーで先導してくれたんでしょうか。

頂上近くなったらどこへやらいなくなったので、お別れかと思っていたのですが、下山途中でも待っていてくれました。今度は先導するのではなく、道のわきにどっしり座って、あたりを見回していました。「帰りは同じ道だからわかるよね。気を付けてお帰り。」とでも言ってくれていたんでしょうか。孤独で、群れに居場所が無くても、それなりに悠々と生きていけるかも、と思わせてくれました。


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