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背中を押してくれた本『定年オヤジ改造計画』

定年前に読んでめちゃくちゃ面白かった本『定年オヤジ改造計画』(垣谷美雨著)。要するに、家族から疎まれた鈍感オヤジが定年になって居場所がないことに気づいて行動を改めるというお話です。オヤジのことだけで読むと、いくらなんでもそれはひどすぎるということで終わるんです。誰のおかげでご飯が食べられると思ってるんだ、みたいな。
でも、奥さんや子供たちの考えていることも書かれていて、それが面白かった。単に、頑固オヤジの古い考えは今は通じないということではなくて、家族全員がそれぞれの事情を抱えていて、それぞれの考え方を持っているということに気づかされました。主人公のオヤジは自分本位の考えを押し通して来たせいで家の中に居場所がなくなりかけたけど、実は家族だって結構勝手なことを言ってたりする。ただしそれは事情があったり相手の事情を考慮しなかったりするため。そこを無視して、誰か一人の考えだけでは成り立たない。
男はつらいよだけど、女もつらいよ、子どももつらいよ、ってことかな。当たり前のことに気づくのに長い間かかってしまいました。気づいたからと言って、うまく行動できているかどうかは怪しいけど、背中を押してくれたことは確か。みなさんは、家の中の居場所をどうやって作っているでしょうか。あまり意識しすぎてもかえってウザいと思われるでしょうし。男女を問わず、力の入れ加減からして難しいと思いませんか。

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