SonoSheetという青春。
「自分の好きなアーティスト、好きな音楽」と自分の中で定義づけたのは中学生の頃だったように思う。
それは同時に「このアーティストを聴いている自分は周りからカッコいい、と思われるだろう」「このアーティストを聴いている自分は周りからダサい、音楽分かってない、と思われるだろう」というしょうもない価値観を僕の心に植え付けてしまったけど。
中学生当時、剣道部(たしか)の友達から175Rを教えてもらった。
「ハッピーライフ」「空に唄えば」
スカッとした。
急に青空に体をぶん投げられた気がした。
友達と毎日会って毎日勉強して毎日遊んで。
自分の毎日がそっくりそのまま歌になってた。
そんな剣道部の師はまたある日、僕にB-DASHという新世界へ導いてくれた。
衝撃だった。
まず日本語を言っていない。
適当アドリブめちゃくちゃ語を言っている。
適当アドリブめちゃくちゃ語を言っている?
最初はその面白さと、B-DASHを知っているんだぜ、聴いているんだぜという自分に酔いしれていたけれど、彼らが新譜を出せば出すほどにその"音"に酔いしれていった。
他で聞いたことがないはずなのに自分の中の王道を感じさせてくれるそのメロディーがとにかくカッコよかった。
次第に、この確かな"音"があるから、彼らに歌詞なんて必要ないんだ、と思うようになった。その確かな"音"に自信があるから。
「ハーコー」
vodafoneのCM(佐藤隆太、山田優、佐々木蔵之介、加藤ローサ、ベッキーがスローモーションのやつ)でいきなり流れてきたあの瞬間の衝撃を今でも覚えている。
歌詞を置き去りにしたその先の音。
この曲はゴールだと今でも思っている。
かと思ったら「平和島」や「炎」「コントレイル」のようにメロディーだけでなくその真っすぐな歌詞でも魅了してくる。
適当アドリブめちゃくちゃ語と日本語に分けてオリジナルMDを編集していたあの頃が懐かしい。
ボーカルだったGONGONは自身のレーベル・GONGON Recordsを立ち上げ、様々なアーティストのプロデュース(所属しているグループすべてにGONGONが所属しているという最高にクレイジーな事をされています)を行っている。
いろんな曲を聴いても、あの日のGONGONの音はずっとGONGONの音のままなので嬉しい。
いつものようにタワレコへ行った2019年3月6日。
また青春に出会った。
SonoSheet。
お店の隅の隅の下手したら道路渡ってゲームセンターなんじゃないかぐらいの隅にあったこのEP。
あの日175Rが感じさせてくれた蒼穹がそこにあった。
あの日B-DASHが感じさせてくれた"音"への自信がそこにあった。
耳が夏と錯覚していた。
聴いただけで自分を青春へ連れて行ってくれる確かなメロディーと愚直なまでに"君"への想いを伝え続けるその歌詞。
自分たちの曲への確かな自信を感じさせるセンチメンタル爆発ロックバンドは宇都宮に居た。関東に居た。近場に居た。
そんな彼らの曲の中で、心のど真ん中に正拳突きを喰らった魂(曲)を一曲。
最高のサムネだ。
剣道部みたいな髪型をしている。
「Short Hair」(12.5.2018)
これだった。
こんな曲を中学生の頃から僕の耳は求めていたんだ。
(Sean Paul というゴリゴリを求めていた頃もあったけど)
説明の必要がない名曲。
SonoSheetのライブを観に行ったことがある。
魂だった。
今この瞬間に、今目の前にいるあなたに魂をぶつけていた。
きっと一年中いつ観に行ってもその時に浴びた
ど真ん夏みたいなライブをしてくれるんだろう。
以前ほどではないにしろ、工場で作られたオンナノコグループ(©︎ノエル・ギャラガー)が依然ランクインしまくるチャートに、あの日の175Rが突如として現れる日はまた来るのかな。
たぶん大丈夫。
君たちの時代にはSonoSheetがいる。
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