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ソーシャルビジネスで稼ぐことの矛盾を感じる人へ。

今日5月15日は、私が経営するP'lus Nine株式会社の設立記念日です。
2013年5月15日に法人設立しましたので、11年の時が流れました。

屋号としての「PLUS NINE」は、2005年に事業を開始し、来年で20周年を迎えることになります。

昨年、法人設立10周年を迎えたタイミングで、改めて会社の理念について考えることにしました。

会社を作ったときは、理念なんて正直あまり考えもしませんでした。1人で行動していたので、常に私の考えるがままで良かったのです。

それが昨年末から、社内に新たな仲間を迎え入れ、今年に入っても正社員ではないですが、凄い実績のある方々にP`lus Nineの人間でとして動いて頂くことになったのです。

今までの1人で何役もこなす、何でも屋の自分ではなく、組織の代表としての立場が出てきて、これまでの様に「人助けになれば良い!」「地域に貢献できれば、いつかお金は回ってくるだろう!」なんていう甘い考えではいけないということに気付かされました。

コンサルタントとして、クライアントの会社の経営については散々考えてきましたが、自社組織のマネジメントはする必要もなく、考える必要もなかったですからね。

「実学」「アメーバ経営」との出会い。

海外の本も含めて、会社経営についての本をいくつか参考に読みあさっていましたが、私が行っている「スポーツで地域課題を解決する。」という想いにハマるものは、正直あまりありませんでした。

そんな時に手に取ったのが、京セラの創業者稲盛和夫著「実学」と「アメーバ経営」でした。

稲盛氏についての賛否は世間の方にお任せしますが、そこに書いてあることは、私にとってとても腑に落ちる内容でした。

その中で書かれていた京セラの理念が、
「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」という経営理念でした。

私は、この中から「全従業員の物心両面の幸福を追求」という部分を頂くことにしました。「人類、社会の進歩発展に貢献する」は、大きく考えたら当てはまらなくもないですが、今の自分達にはピンと来なかったし、「人類の進歩発展」については議論の余地があると思ったのが理由です。

そして、P'lus Nine株式会社の理念として
「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、スポーツによる地域課題解決に貢献する。」を掲げることにしました。

「スポーツで地域課題を解決する。」というのは、創業以来変わらない理念でありメッセージでしたが、そこに自分も含めた仲間達の幸福の追求も取り入れました。

「自分」から「自分達」への転換

お飾りの理念ではなく、ここをスタートに考えたのはとても効果的でした。

実は個人事業主の方や、私の様なソーシャルビジネスをされている方の多くが、「自分のことは後回し」になっているのではないでしょうか?

地域課題の解決や地域への貢献を掲げる中で、「俺がその事業で儲けて良いの?」「俺の取り分より、もっと課題解決に使ってもらった方がいいのでは?」という自分がしている行動と、そこから報酬をいただくということへのギャップに悩ませることがあったと思います。

しかし、この「全従業員」という言葉が、今までの「自分」1人を「自分達」という一つの小さな社会に転換させてくれたのです。

自分達・全従業員という言葉には、社員はもちろんその家族まで入ってきます。こういった小さいですが、私や私の家族、社員や社員の家族という社会概念ができたことで、まずはこの小さな社会、目の前にある社会を幸福にすること、それができて初めてよそ様を幸せにできるよね!という考え方に変わったのです。

今までの「社会のために自己犠牲は厭わない。」またそう志していなければならないという思いから解放されて、「よっし!まずはこの小さな社会を幸せにしよう!」「自分ももっと大切にしよう!」と考えられる様になりました。

課題の先延ばしにしか過ぎなかった。

よく考えたらそうですよね?
誰かの犠牲の上に成り立っている課題解決なんて、実は課題の先延ばしにしか過ぎなかったのかもしれません。

これまでの私は、自己犠牲こそが社会貢献であり、美しい生き方だと思ってきました。「誰かがやらなければならない!」この響きが大好きでした笑

しかしそれは、自分1人だけでは良かったのですが、自分達組織として考えたときは、全くダメな考え方でした。

私は、これまでの活動で金銭以外にも多くの得られるものを得てきました。例えば感謝であったり、やり甲斐であったり、名誉だったり・・・。

しかしこれらは、全従業員やその家族にまで共有するのはなかなか難しいことです。プチ自慢位にはなるかもしれませんが、家族や仲間を犠牲にして得るものではありません。

私にも、そんな犠牲にしてはいけない仲間やその家族ができて、初めてこの様なことを考えることができたのです。

目の前の人を幸せにできて、初めて広い社会への貢献がありますからね。

理念変更が経営の数字にも変化をもたらせた。

この会社の理念変更は、私の会社経営の以下の数字にも大きく変化をもたらせました。

  • 利益率

  • 商品原価

  • 営業販促

  • 管理費

  • 内部留保

理念が明確になったことで、これらの数字がハッキリとして、何をいくらで売るべきかか?「値決めは経営」という稲盛氏の言葉の意味も深く理解することができました。

これらの具体的な数字は、私の会社規模の数字なので、当てはまらない人も多いと思いますので、ここではお話ししません。

今日お話ししたかったのは、これまで10年以上歩んできて、改めて経営を見直し、もう一度出発地点(経営理念)を明確にしたときに、考え方・まわりとの関わり方・行動が大きく変化し、スケールアップすることができたということです。

最後に・・・

スポーツビジネスに限らず、様々なソーシャルビジネスに関わる方、あなたは個人であり、組織であり、社会です。

自分では自分1人だと感じているかもしれませんが、あなた1人の我慢が、誰かに我慢を強制してしまう恐れもあります。

まずは、あなたが目一杯幸せになることです。それが波及して、組織や社会が幸せになるのです。

もしそのソーシャルビジネスの中で、稼ぎ過ぎた!儲け過ぎた!利益が出過ぎた!と感じたら、それは良いことです。そのあなたの手元で余ったお金は、あなたの理念・意志に基づいた形でお金を再分配してください。

税金を納めて社会貢献するもよし、社員の報酬をあげるのもよし、困っているNPOやNGOに寄付するのもより、是非スポーツにも支援をお願いします。

不信が続く政治家達に決められるくらいなら、ソーシャルビジネスで社会課題に触れてきたあなたが、社会にお金をまわす方が、絶対に生きたお金の活用になるはずです。

そうしていくためにも、繰り返しますが「自分から自分達」という考え方、私は組織であり社会なんだという自覚を持ち、ビジネスに取り組んでください。

応援しています。


それでは今日はこの辺で。



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読んで頂き誠にありがとうございます。 小さな町のクラブをJリーグに昇格させる。 不可能な話に聞こえるかもしれませんが、過去他のJクラブを昇格・経営してきた僕には、道筋がみえています。 このnoteで自分の給料を捻出したいと思います!支援のほど何卒よろしくお願い致します。