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手痛い失敗を経て、やっと気づいたSEOで大切な1つのこと

あまりネットにはリアルな失敗談が出ていません。そうですよね、カッコ悪いですし…
でも手痛い失敗をしたからこそ、糧になることもあると思います。
同じ失敗を繰り返してもらいたくないので、WEBマーケティングに関わる多くの人に読んでもらいたいと思います。

この記事では、「アイミツ」のマーケティングの中で実際にあった失敗の経緯、学んだこと、今やっていることをまとめています。

※こういった失敗を経て、ユニラボのマーケティング組織は随分強くなりました!興味がある人は是非!

2017年、僕はSEOのある施策に5ヶ月の時間とお金を投資しました。そして、そこから生まれた売上は数十万円にも満たないものでした。

当時、自己資本経営をしているベンチャーにとっては死活問題でした。
カイジのような気持でした。「やってしまった……!」

何をやらかした?

当時は次のようなキーワードを狙って、記事を作りました。
▼ターゲットキーワード (一部抜粋)
・福利厚生 :検索ボリューム 40,500
・WordPress :検索ボリューム 110,000
・ポータルサイト :検索ボリューム 18,100
※検索ボリュームは2019年12月時点(当時も同じくらいだと…)

BtoBビジネスにとっては魅力的な検索ボリュームだし、これで上位化出来たらSEOやっている感もある!と話をしていました。
※過去に戻れるなら全力で止めます!!

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正社員の専任担当を置き、ライター採用も行い、8名のコンテンツ制作体制を作り、時間もコストもかけて記事を作りました。

結果、どうなった?

やると決めて、体制を作り、新規で記事作成を開始しました。
その結果、5ヶ月間の人件費投資(社員1名+ライター8名)となり、200本以上の記事ができました。

作成した記事は順調に上位化もされ、セッションは1.5倍に成長!!!
ただ…新規作成した記事から上がった売上は数十万円にも満たず…
実際に自分でも分析に入って、数字を見たときには軽く泣きそうでした。

失敗

※赤枠が当時の半年の施策結果です。その後のセッションの増加はまた別の施策によるものです。

何故、そうなった?

結論はいたってシンプルでした。

【CV(コンバージョン)しないキーワードだったから】

文字にすると悲しくなります、口に出すと涙が出そうになります。

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受発注を支援するサービスを展開する僕らなのに、狙ったキーワードがビジネス(CV)とかけ離れてしまっていました。

・福利厚生:雇用側ではなく、従業員が調べる
・WordPress:自分で作りたい人が調べる
・ポータルサイト:そもそも単体ではあまり意味をなさない

どのキーワードも複合語になると意味は変わります。例えば、
・福利厚生 導入
・WordPress制作会社
・ポータルサイト構築

少しわかりやすく表にまとめると次のようになります。もちろん検索ボリューム(どれだけの人が調べているか?)もとても大切ですが、それ以上にターゲットかどうか?が重要です。

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ビジネスモデルによって取るべきキーワードは変わるものという当たり前のことに、やっと気づくことができました。
※当たり前のことかもしれませんが、実は多くの会社が出来ていないことでもあります。

キーワードの考え方を図解する

二度と同じ失敗を繰り返さないために、キーワード(クエリ)の特性を図解し、クエリマップ(後述)を独自に整理しました。
普段コンサルティングでも使用している資料ですが、初めて公開をしようと思います。
※事業の個別戦略に関わる部分だけは塗りつぶしています

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上記の図解をするにあたって、まずは2012年の記事ですが、次の記事を参考にしています。とても良い記事です。

3つのクエリタイプを更に2つに分け、検索ボリュームやクエリの数、CVRの傾向によって並べています。

■Know(情報info)のクエリ
・基本情報のクエリ:
Wikipediaなどが強くなる。検索意図も曖昧になりやすい。検索ボリュームは多いがCVにはつなげ辛い。前述にあるアイミツで失敗したクエリです。
・具体的情報のクエリ:
検索意図が具体的に絞られる。費用を知りたい、期間を知りたい、メリデメを知りたいなど。CVにつながりやすいものも出てくる。

■Do(取引trans)のクエリ
・検索のクエリ:
具体的にサービスや会社を探している段階。取引の意図があるので、CVにつながりやすい。
・比較のクエリ:
”良い”サービスや会社を探したり、比較している段階。多数の選択肢ではなく、絞り込んだ選択肢を提供する必要がある。

■Go(案内navi)のクエリ
・指名のクエリ:
そのサービスや会社を見たいと決まっている段階。ユーザーの想起を取れている状態。CVには直結する。
・評判のクエリ:
そのサービスや会社について、懸念を持ち口コミをみたいと思っている段階。安心感や信頼を提供できるかが鍵になる。

Doクエリが良い!Goクエリが大切だ!Knowはダメだ!ということはなく、ビジネスモデルと競合の状況を見定め、狙うべきキーワードを定めなければいけません。

▼ありがちな失敗例
・Goクエリを取り漏れて、CVが伸びない人材サイト
・中立性に欠け、Doクエリが取れない自社オウンドメディア
・Knowクエリは取れているのに、マネタイズがPV連動ではないメディア
・Goクエリは指名だけで、評判は他社に席巻されるコーポレートサイト

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ビジネスモデル次第ですが、CVに近いキーワードを取らない選択肢はありません。クエリの攻略は難易度/検索vol/CVRの3点評価で行うのが大切です。

クエリマップを作ろう

「キーワードの考え方は分かったけど、実践ではどうしたら良いの?」

僕はクエリマップをつくることを強くおすすめします。というか必須です。

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・狙うメインキーワード(市場、カテゴリの名前)を定める
・言い換えのキーワードを洗い出す (例:カフェ-喫茶店)
・2語にして成立する言葉をニーズや軸で区分する (例:カフェ 渋谷、カフェ wifi)
・各ニーズ、軸、区分を元にキーワードを洗い出す
・各ニーズ、軸、区分ごとに難易度/検索vol/CVR(との近さ)を評価する

このようなプロセスを経て、攻略するキーワードの全体感を整理したものがクエリマップになります。

このクエリマップがあると、
「何個のキーワードを攻略すべきか」
「そのためにはどの程度の投資が必要か」
「どれくらいのスケジュールがかかるか」
といった戦略を立てる上での重要情報が明確にできます。

キーワードの構造がどうなっているか?
そして自分たちのビジネスではどのキーワードを狙うべきか?

SEOにおいてとても大切な一歩になります。

おわりに

今回紹介したキーワードの考え方やクエリマップは、アイミツのSEOにおける基本思想です。
ここに至るまでに多くのお金と時間を無駄にしました。WEBマーケティングでは多くの人が同じ失敗を繰り返してしまいます。
この失敗の共有が、一人でも多くのマーケターの今後の失敗の回避につながれば嬉しく思います!

キーワード調査はSEOの第一歩、ここで転ければあとは地獄なり

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個人的にBtoB専門でグロースハック(UX設計、マーケティング)のお手伝いもしています!特に立ち上げフェーズが得意ですので、気軽にDMください^-^

https://twitter.com/tasuku_ishida


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