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「好きなこと」を探すのではなく「好きな状態」をつくる

あやうく一生懸命生きるところだった』という本を読みました。著者は韓国のイラストレーター、ハ・ワンさん。

高みを目指す人生から外れて生きることにしたワンさん。そんなワンさんが今考えているあれこれを読んでいると、「好きなこと」を探すより「好きな状態をつくる」方が心地よく過ごせるのではないかと気づきました。

本を読んで発見した「好きな状態」とはどんなことなのか、ワンさんの引用と共にご紹介します。

特別な夢でなくても

絵が仕事でなかった頃は好きだったが、仕事になったとたん前ほど好きでなくなった。

おそらくワンさんは自由に絵を描いている状態は好きだけど、人に依頼されて描くのはそれほど好きではないのだと思いました。

やっているか、やらされているかの違いなのかもしれません。

仕事で依頼が発生すると、他者からの制限がかかり自由度は減ります。それがゆえのやりがいはあると思いますが、自由に絵を描く状態が好きならば仕事にしない選択肢もあるのだと思います。

そういう選択肢が常にあるのだと思えると自由になります。

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結果のために耐える生き方じゃダメだ

簡単すぎるとつまらないし、難しすぎると挫折する。

よくあることです。

結果を出すためにうまくやらないとと思うと、好きなことも「うまくやること」にすり替わっていきます。

その時その時で自分が面白くできるようにチューニングしていく必要があるのです。

例えばキャンプ初心者は火を起こすのが大変だから、簡単な調理だけにとどめた方がいいのにいきなり本格的なバーベキューをやったら大変であまり楽しめなかったみたいな話があります。

ガスバーナーでインスタントラーメン作るだけでも楽しかったのだから、焚き火をしてみるのはもっと楽しいに違いない。だけど、薪を担いでいくのは大変だから設備の整ったキャンプ場からにしようとか。

そういう感じで成長を楽しめることが大事だと思います。

結果のために耐える生き方じゃダメだ。過程そのものが楽しみなのだ。

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めんどくさいところを楽しいと感じる

コーヒーって外でも飲めるし、ドリップパックで簡単に淹れられるけれど、道具を買って豆を挽くところからやりたかったりします。

豆を自分で挽くなんて面倒だなと思う人だっているでしょう。

だけど、豆を挽く行為を本当に味わってやっている人もいると思うのです。コーヒー屋さんで豆を選ぶ楽しみ、挽き終わった後の香りを味わいながら、お湯を注いでいく。ゆっくりゆっくり飲むまでの時間も楽しむのです。

「好きな状態」というのは合理的ではないけれど、続けられることなのかもしれません。

ワンさんはレザークラフトをやりはじめた時、友人にこんな不満を漏らしたそうです。「ミシンなら1分で済むところを何時間もかけて手縫いするなんて」すると友人は「どうして、そこが楽しいのに?」と言います。

そしてワンさんは思うのです。思えば今までの人生、過程を楽しんでこなかったのだと。

まだ何ひとつ完成していないけど、これだけは間違いない。
僕は今をしっかりと楽しんでいる。

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『あやうく一生懸命生きるところだった』には他にも色々なことが書かれています。ぜひ、自分なりに刺さる言葉を見つけてみてほしいです。



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