見出し画像

2011年福島原子力発電所の事故、その現状と見通しは?

#原発事故 #福島原子力発電所
#メルトダウン #メルトスルー
#廃炉計画 #IAEA   #ALPS処理水

1986年4月26日にソ連(現ウクライナ)のチェルノブイリ原発4号炉で事故が発生、ヨーロッパ中に核放射性物質が拡散、大騒ぎとなった。これを受け、日本でも主婦層を中心とした反原発運動が活発になったという。ピークは1988年、その後は徐々に沈静化していく。このとき多くの研究者や大学教授が引っ張りだことなった。だが、国策としての原発事業。圧力をかけることで、これら研究者は徐々に姿を消していくことに…。

*原子力の安全利用?
そもそも原子力発電は民間の電力会社が行っているものである。一方で、国が積極的にバックアップするカタチだ。そこには多額の金が動き、いわば原発利権がまかり通る世界。合理性や経済性そして安全性などはどうでもよかったように見える。

もともと原子力発電所は、築30年で廃炉作業が始まる予定だった。福島原発を見ると、2000年頭から2010年には始めなくてはおかしい。だが東電は使い続けた。しかもIAEAの査察での指摘も無視したと言う。この核の番人ともいえるIAEA (国際原子力機関)、なんの強制力を持たないのだ。

そこに大地震(3·11,東日本大震災)が発生、巨大な津波が発電所建屋を襲い、電源を喪失してしまう。原子炉は水で冷やし続けることで、安全性を担保している。炉心内の水がなくなると、原子炉そのものが溶け出してしまうのだ。それでもまだ格納容器内にとどまっていればいい。現状ではそれも溶けてしまい、底にあるコンクリート床まで落ちていると思われる。メルトダウンならぬメルトスルーの段階になっているようだ。

*メルトスルーだとすると?
2024年8月22日、福島第一原子力発電所2号で、核燃料デブリの試験的取り出しが始まる予定だった。だが、取り出し装置の取り付けミスにより延期となってしまう。なんともお粗末で、いい加減な作業のようにも思うが、実際には違うようだ。東京電力によると5本あるパイプをつないで取り出すことを計画。しかし取り付け順番を間違えたためだと言う。

だがメルトスルーだとすると、仮にサンプルを取り出したとしてもほとんど意味がないと言える。溶けて熱を放出しているデブリ、その温度は2800度以上にもなっているため、取扱いがかなり難しい。そのうえサンプルを取ったからといって、回収方法がわかるということにもならないのだ。たぶん東電、そのような計画書を国に出したのだろう。そのため、やる羽目になったと言うことだ。

いま核燃料デブリは格納庫を覆っていたコンクリート床に落ちているはずだ。だとすると、このコンクリートからさらに下の土へ流れ出す危険がある。もっとも危惧されるのは、地下水に触れておこす水蒸気爆発。わずかずつであれば、地下水にしみ出て海洋に流れ込むことが考えられる。

*ALPS処理水は安全なのか?
このALPS処理水とは何か?家庭で使っている浄水器を考えるといいだろう。この浄水器、逆浸透膜を使い水を濾過しているのだ。この原理を汚染水に利用して浄化して水で薄めたのがALPS処理水と言える。説明ではやたらとトリチウムの話をしているが、他の放射性物質についてはあまり触れていない。

家庭用浄水器の説明で、逆浸透膜についての説明がある。ほとんどの重金属やトリハロメタンは浄化するが、放射性物質は完全に除去できない、そんな説明となっていた。だとすると、ALPS処理水が完全に安全とは言えなくなる。

さらに原発周辺に拡散した放射性物質。雨のおおい日本においては川に流れだし、ゆき着く先は海となる。こちらの話は全く出てこない。中国は日本産海産物を禁輸した。これを声高に避難している人たちがいるが、そうとも言えないとも思ってしまう。

*まとめ
中国の動きはかなり政治的なものと言えるだろう。しかし日本政府や東京電力も、本当のことをは言っていない。これが事実である。メディアもこれに便乗している事は間違いない。これではいまだに「大本営発表」を見ているようだ。

福島原発の廃炉、いまだに先行きは見えない。一企業の東京電力に任せておくだけで良いのだろうか。本来ならチームジャパンとして取組むべきではないか?と思う。いままで世界でも経験したことのない大事故である。日本中の知識や技術を総動員してでも処理していくべきだろう。まったく機能不全に陥っている日本の国会、これでは100年たっても200年たっても解決する事はないと思われる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?