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【Slack】翻訳アプリを導入してみた


導入までの道のり

①トップからのメッセージ

2024年1月上旬、Slackの雑談チャンネルでトップがエンジニアチームに『「DeepLのSlackアプリ」を見つけたからインストールして!』とメンションしていたのを発見しました。

情シスとして私はすぐにそのメッセージに反応して、「どのような目的や意図があるか」をお伺いしました。
※メンション先のエンジニアチームは無反応でした。

個人的な考え方ですが、何かしらアプリを入れる際には「目的」「そのアプリを入れてどうなりたいか」というゴールを設定する必要があると考えています。
エンジニアチームがそのメンションに無反応だったのは、アプリをインストールする意図がわからない&誰が実行すべきなのかわからなかったからだと思います。

トップからは「最近、海外メンバーの入社が増えているので、Slackの投稿を翻訳できたらコミュニケーションがもっとスムーズになると思った」とのことで、意図をお伺いすれば、推進すべき内容であることが分かりました。

むしろ私が気づいて提案すべきことだったと反省しつつ、アプリの調査や検討をお引き受けさせて頂きました。

②アプリの調査、検討、導入へ…

「Slackの投稿を翻訳する」アプリについて、導入の簡単さと、ユーザーの操作の簡単さ、金額面、翻訳言語数を軸にいくつか調査をしました。

そこで、上記の軸の全てが叶うアプリが「DeepL Translator」という結論に致しました。
素敵なアプリをご提供頂きましてこの場でお礼申し上げます!

DeepLのAPIが無償で使用出来るということで、登録して部内のチャンネルで試したところ、国旗のスタンプを押すだけでその国の言語に翻訳してもらえるという手軽さがヒットしました。
PDFファイルを翻訳できるという点も好評でした。

導入時の懸念点としては、自社でどのくらい翻訳されるのかと、DeepLの無料版では、翻訳データがサーバーに一定期間保存されるという点でした。
有償版では翻訳文字数の制限やデータ保存に関してはクリアできますので、金額がかかるという点で少し社内申請に時間がかかりましたが、無事に導入することになりました。

※番外編※トップダウンの早さ

今まで、何かをするときはボトムアップが多く、なかなかスムーズに進まずにすごく時間がかかって難航したり沈んで消えてしまうケースが多かったのですが、今回はトップ自らの発信により進んだ事項です。
初動から導入、全社展開まで1か月で稼働することが出来ました。
これを遅いか早いかと感じるのは人それぞれかと思いますが、今までと比べるとものすごく早かったです。
トップが何をしたいか方針を発信すること、それに対してメンバーが答えること、そしてメンバーが答えたことに対するトップの意思決定の早さが大切なんだなと感じました。

導入が決まったあとの準備

①運用について決める

運用については以下の通りにしました。
どのくらい利用されるかわからないので、IT側でコントロールがとれるようにと考えました。 

  • はじめに「#general」を中心に、全社員向けのチャンネルにアプリを導入する

  • DeepLの管理画面で利用状況を毎月確認しながら、海外メンバーが参加しているチャンネルにアプリを追加導入していく

  • もしアプリを導入したいチャンネルがある場合はIT担当に相談する

②マニュアルを作成

全社向けにマニュアルを作成しました。
アプリの利用者のメインは海外メンバーかと思いますので、マニュアルは日本語と英語の二か国語で記載をしました。

  • 概要(言語の壁を越えてコミュニケーションする目的で導入する)

  • 運用(決めた運用について記載)

  • 操作方法(翻訳操作について画像を交えながら記載

  • 対応言語(DeepLのヘルプページにリンク)

無事に全社展開!

導入準備が完了し、無事に全社展開を行うことが出来ました。
「#general」でマニュアルと共に投稿を発信しました。
海外メンバーには個別に案内をし、そこで試しにいろんな国旗スタンプを押してもらうようにお願いをしました。
自社の海外メンバーが多国籍なのもあって、未対応の母国語もあって寂しさもありましたが、英語や別の理解出来る言語があるので利用には問題ないとのことで、前向きなご意見を頂けました。

海外メンバーの方は任意に翻訳したいときに押してもらうようにするのはもちろんのこと、自分は情シスの立場として全社向けの投稿をよく発信するので、その際に自分自身で英語に翻訳し、翻訳されたスレッドをそのチャンネルに転送するようにしてみました。

翌日セキュリティ更新の案内を上記のようにしてみたところ、普段「更新済」スタンプが押されない海外メンバーが押してくださったので、さっそく効果が!となっておりました。

ちょっとしたトラブル

あるとき、PDFファイルが翻訳出来ない!という問い合わせがありました。
確かにPDFファイルを添付しているメッセージに国旗スタンプを押すと、エラーが返ってきてしまいます。
正常に翻訳出来るPDFファイルと何が違うのだろうと比較し、そのPDFファイルの元になったPowerPointファイルを確認してみました。
すると、そのファイルの文字や画像やら全てが画像として張り付けられていたのです/(^o^)\
公式ヘルプサイトにもあるように画像や写真は翻訳対象外なので、ごく普通の動きなのですが、翻訳する人にとっては特に何も悪いことはしていないので戸惑いますよね。
こちらの件についてもマニュアルに追記することでOKにしました。

1か月ほど経過してみて

全社的に発信するメッセージには発信者自らが翻訳して、翻訳されたスレッドをそのチャンネルに転送を行っていたところ、他の社員もやってくれるようになりました。
おかげで、海外メンバーがメッセージに絵文字で反応することが増えましたし、自分が毎月行っている勉強会にも参加が増えたと感じています。
(勉強会の告知もSlackで行っている)

翻訳アプリを導入したことで、日本語+英語でメッセージを投稿してくれる社員も出てきました。

自分自身も海外メンバーが見やすいようにこれは英語に翻訳した方がよさそう、など意識がだんだんと変わってきたように感じます。

DeepLの管理画面から利用状況を確認すると、翻訳文字は160,000文字ほどでした。
料金は400円(これに固定630円プラス)ほどでした。
初めての1か月なのでこれが適切な文字数なのかどうかは数か月経過しないとなんともですが、月1,000円前後で手軽にメッセージを翻訳&意識の変化が起きるのであれば良いのでは?と個人的には思っています。

まとめ

自分も含めまして、海外メンバーにどうスムーズに伝えるかという点について改めて考えさせられた時間だったと思います。
全社向けに発信するときは必ずスタンプを押して翻訳するようにして、日本語でも英語でも確認してもらえるように続けています。
自分が海外に行った経験がないのですが、母国語でない言語が流れていると疎外感も多少はあるのかなと想像します。
郷に入っては郷に従え、とは言うものの、やはり少しでも楽しい気持ちで言葉を受け取ってもらえるようにシステムとして手助けできるのであれば、それに越したことはないと思っています。
システム導入から全社展開まで、トップとこまめに意思疎通しながらスムーズにクリアすることが出来て良い経験になったと思います。
改めて素敵なアプリをご提供頂きましてこの場でお礼申し上げます!



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