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熱海を舞台に1泊2日で行う「実践型の社会課題解決ワークショップ」をレポート!

こんにちは!
熱海のまちづくり会社machimori(マチモリ)です。
様々な社会課題が山積し、50年後の日本の姿と言われる熱海。そんな熱海で、machimoriは2007年から民間事業によるまちづくりに取り組んでいます。地域の課題は複雑かつ変化のスピードが早い状況です。だからこそ、地域外の企業とも共創していきたいと考えています。今回は、私たちが実践の中で培った社会課題解決のノウハウを生かして提供している「GeNSEn 社会共創型企業研修プログラム」をレポートします。

まちづくりは敷地だけでなく「エリア」で考える

2022年7月某日、熱海市内のホテルにて2日間のワークショップは幕を開けました。研修の内容は参加企業に合わせて毎回変更していますが、今回は「遊休不動産の活用」がテーマ。熱海市街地のとある物件を題材に、所属会社もバラバラな5人ほどのチームで、「熱海のまちを変えていく、リノベーションプライン(エリアの使い方)」を考え、プレゼンしてもらいます。

まず、代表の市来広一郎がどのように熱海に新しい価値を発明し、地域活性を図ってきたかを説明しました。machimoriはまちづくり会社(通称:家守)として、不動産オーナーとビジネスオーナーや生活者をつなぐ役割を担っています。

「家守」の定義

さらに「家守」として「リノベーションまちづくり」をするときのポイントとして、次の5つを挙げました。

  1. 敷地で考えずにエリアで考える

  2. エリアの近未来を表すビジョンを描く

  3. まちの変化の兆しを見つけ出し、小さな変化を大きなムーブメントに変える

  4. エリアを定義し、エリアに名前をつける

  5. 対象物件を活用したエリアを変えるコンテンツを考え出す

ここで大事なのは、遊休不動産である物件そのものの活用だけを考えるのではなく、その物件のあるエリアから定義していくことです。今あるものを活かして、新しい使い方をすることで新たな人たちを呼び込み、まちを変えることが「リノベーションまちづくり」だと述べました。

熱海のまちを歩いて「五感」で感じる

ポイントを理解したところで、事務局メンバーとともに熱海の「まち歩き」へ!
熱海のメインストリート「熱海銀座」にあるmachimoriが運営する「guest house MARUYA」やコワーキングスペースや、今回の対象物件のある糸川エリアなどを散策。糸川は、飲食店やアトリエ、オフィスなどが集まるエリアで、ビジネス寄りのクリエイターが集まるエリアとして近年注目されつつあるエリアです。熱海に来たことがある参加者も、観光とは違った視点でまち並みを見たり、事務局メンバーが話す歴史話に耳を傾けていました!

熱海のまち並み

ここで少し熱海の現状を紹介させていただくと、ここ数年で熱海銀座通りの1階店舗はすべて埋まりましたが、目線を少し上にすると、まだ2階以上は空室が目立ちます……。まさにmachimoriがこれから取り組んでいきたいところなんです。これから2階以上の活用が増えてくるかも!ぜひ熱海に来た際はチェックしてみてくださいね。

熱海銀座商店街

地域のステークホルダーの“生の声”を聞く

チームごとに地元の飲食店で昼食を済ませ、午後はインタビュー調査です!
熱海に縁のある5人のステークホルダーに、熱海の現状や課題、そして今回のテーマである対象物件について伺います。今回は以下の方々に参加してもらいました。

  • 対象物件の管理をしている「machimori不動産」関係者

  • 対象物件のオーナー

  • 周辺エリアの関係者

  • 想定される顧客、ユーザー

  • まちづくりの実行主体

それぞれ20分程度ずつのインタビューでしたが、参加者はステークホルダーが話す熱海の現状や思いに聞き入っている様子でした。あるステークホルダーは参加者に「長期ビジョンを持っている人はまだ少ないね」と話していました。

インタビューを通して感じた気づきをチームで共有し、そこで挙がったことを「課題解決の8つの視点」に整理。1〜4をもとに、5〜6で今回の課題である対象物件をどのようにするのかを考えました。2日目は、この8つの視点を発表するところから始まります。それぞれ翌日の発表に向けて、チームで話し合いや整理をしていましたね。

8つの視点
  1. 社会/エリアの現状

  2. 対象者(顧客、ペルソナ)の現状

  3. 自分自身のいままで

  4. 本質的問題/課題

  5. 解決策

  6. 社会/エリアビジョン

  7. 対象者(顧客、ペルソナ)のあるべき姿

  8. 自分自身のこれから

1日目に見て、聞いて、感じたことを中間発表

2日目は中間発表からスタート。「8つの視点」をチームごとに発表しました。

実は、2日目は全体のプログラムはこの中間発表と最終発表だけで、それ以外はチームごとの時間です。最終発表に向けて、代表の市来はこんなアドバイスをしました。

「ぜひ自分たちで事業をやるつもりで、本気で考えてみてください!そのうえで、地上4階、屋上、地下、それぞれのフロアをどのように使うのかも考えてみてください」(市来)

190分を経て、いよいよ最終発表

最終発表には、昨日インタビュー協力してもらった、ビルのオーナーにもお越しいただきました。このレポートでは内容は省きますが、中間発表を経てさらに課題を深堀りし、より具体的な提案をしていたのが印象的でした。オーナーからは「私も住みたい」「ぜひ実現したら使ってみたい!」なんて言葉も。

最後にこの2日間を振り返りました。参加者からは「週明け会社の業務で、この新鮮な視点や価値観を活かしたい」「答えは『現場』にしかないこと、『地域課題の解決』を東京オフィスで考えても通用しないと感じた」といった感想があがっていて、この2日間でそれぞれが新たな学びを得た場となりました。

最後にmachimoriから伝えたいこと

今回は遊休不動産の活用をテーマにしましたが、研修を通して参加者に感じてもらいたいことはどのテーマであっても変わりません。この熱海の地を使って、どうしたら地域の活性化につなげることができるのかを考えてもらうこと。普段生活している地域ではない「越境」の地で、初対面のメンバーと、フラットな関係のもと、価値観をリセットして、小さな「気づき」を多く見つけてもらえたら、うれしいです。

このレポートを通して、研修に興味をもった方は、ぜひお気軽にmachimoriにご連絡ください!

<参考>
■ 株式会社machimori
■ GeNSEnの詳細はこちら


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