説明上手な放射線科医

前回の記事でお知らせしました「ジャパンキャンサーフォーラム2023」。チラッと視聴しました。

鹿間直人先生(順天堂大学医学部放射線治療学教室)によるご講演です。

“がんの放射線治療の「い・ろ・は」”と題して、がんや治療の全体像、放射線検査、放射線治療を淡々とお話されていました。
(後日、YouTubeにもアーカイブ動画が公開されるようです。)

放射線科医による一般の方向けの講演を初めて観ましたが、とても分かりやすくて驚きました。相当慣れていらっしゃるご様子でしたし、スライドも工夫されていました。そのままがん教育に利用できるくらいの網羅性もありました。後半の質問コーナー的な時間でのご回答も悩みを見せつつ、端的にお答えになっていました。

コロナ前にはまだ戻っていませんが、各病院でも少しずつ市民公開講座が再開されています。

参加者には知識がない前提で、なるべく噛み砕いて講演をされているとは思います。
でも、難しい内容を難しいまま説明してしまったり、学会のスライドをそのまま流用してしまうケースもあるとは思います。
また、誠実さゆえにより正確性を担保しようとすると、かえって骨子が曖昧になり伝わりにくくなってしまいがちです。

他科の医師にもぜひ鹿間先生の講演を参考にしてほしいと思います。

放射線科医は少なすぎて辛いところはあるかもしれませんが、一般の方向けにもっと発信できると良いんだろうなあと感じます。特にオリゴ転移については、需要があるお話かなあと考えています。外科の視点からは書かれていても、放射線科の視点はほぼ見ないので、どなたか患者さん向けに発信してほしいなあと思います。

最後に「放射線治療後の副作用」をまとめたスライドに書かれていたメッセージを引用します。
外科治療や薬物療法にも共通する内容ですね。

自分が不幸になるネタをネットで探していませんか?

鹿間直人先生のスライドより


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