華のかんばせ
突出した
誰もが振りかえらずに居られない
美しき かんばせ
どの場面、
どの人込みにも燦然と輝く圧倒的なる
美しき かんばせ
凡庸なる
むしろ弱き性もつ かの人の憐れなるかな
美しき かんばせ
目立たずに密やかに
溶け込み
ただ紛れ込めたなら
年を重ねる毎に
かの人の悲嘆の石は裡に積み上がらずに
済んだでありませうに
嗚呼
我が母よ
その美しきかんばせの
瞳は今
何を視る
貴女が貴女を忘れても
私が忘れられないことの哀しさ、歯痒さ
痛みの粒が
時に目頭に溢れ出る
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