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七夕の短冊

(父母生前の日記より)


七夕の短冊に願い事を書きました。

七夕は祖父の命日。

父よ、貴方は仰った。

「オヤジは良い人間だったから、誰も忘れぬ日に逝ったのぅ」と。

祖父が亡くなった日、私はバスで戻り、死に目に会えなかった事を

悲しみました。人生で初めて、号泣しました。

「美しく泣け!」と・・貴方に叱られましたけどw

兄は、結局、戻りませんでしたね。

死を受け入れがたかったのです。彼はシャイでナイーブでしたから。

のち、義姉となった彼女が教えて下さった。

「ずっと手を合わせて身じろぎせず、部屋の隅で小さく静かに泣いてたのよ、辛かったぁ。葬儀に戻れ、なんて私は言えなかったの」と。

父よ、貴方のおかげで、私は強くなれました。

母よ、貴女に産んで頂き、感謝しております。

七夕の短冊に

あなた方の孫娘は

「お祖父ちゃんお祖母ちゃんが長生きしますように」と、

彼女の好きな色の短冊に記し

私は

「父母の幸せ祈願」と

黄金の短冊選び記しました。

・・私と娘の願い事が同じならば、と祈ってやみません。

どうぞ、不自由でもお辛くとも、その範疇で

幸を味わって頂きたく、出来得るならば、死に急ぐことを

頭から排除して頂きたく・・

父よ、貴方は、あの祖父の一人息子ではありませんか。

母よ、貴女は、あの強い祖母の最愛なる娘ではありませんか。

何卒・・幾らかでも笑顔が増えますよう、祈っております。


*父よ母よ
笑ってますか?
「お前らしいのう」とー

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