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クラブ活動と私#6-1:花博と悪魔の塔

※前回のあらすじ※

(色んな意味で)かわいい後輩が出来ました。

新入部員を迎え活気づく創作部。
新学期が始まって二週間。そんな創作部には
おあつらえ向きというべき学校行事があった。

”遠足”である。

ちょうどこの年、4月から大阪で国際的な催し物
『国際花と緑の博覧会』が開催されていた。
全学年で遠足の行先がこの”花博”となったのだ。

しかもほぼ自由行動だ。このイベントを
利用しないテはない。

創作部はTRPGグループを中心に新入部員たちも
誘って、ちょっとした歓迎イベントも兼ねて
集合する事になった。

国際花と緑の博覧会、会場の様子。

私個人としては、どうしても行っておきたい
アトラクションが最奥部に待ち構えていたのだが
それはさておき。

まずはみんなでパビリオンを巡っていくことにした。

最初に訪れたのは『咲くやこの花館』。
現在でも花博記念公園鶴見緑地の中に残る
このパビリオンは、世界中のあらゆる気候に
生息する植物を鑑賞できる日本随一の温室を持つ
巨大な植物園だ。
食虫植物のコーナーはちょっと異様な雰囲気が
漂っていた。見応えはあった。
隣接する政府苑には世界最大の花『ラフレシア』の
標本も展示されていた。
直径およそ1m、まさに圧巻である。

ラフレシアの標本。
右にあるのはラフレシアの蕾だ。

ここには温室以外にも様々な展示物があり、
パソコンで「アナタにオススメの花」を診断(?)
してくれたり、”誕生花”を調べたりも出来た。
当然私は自分のだけでなく、”憧れの”玉ちゃんの
誕生花とその花言葉もしっかり調べていた。
ちなみに玉ちゃんのそれは今でも覚えているが、
自分の誕生花や花言葉はもう覚えてもいない。
そんなもんである。

その後各国や各企業のパビリオンを廻った。
建設省のパビリオン『さぼう(砂防)ランド』では
日本一、そして世界一の豪雨を疑似体験した。
みんなでズブ濡れである。大爆笑だった。
この後しばらく”さぼう”がトレンドワードになった。

私は叔父にプレゼントされたカメラを手に
そんな様子をフィルムに収める役も務めていた。
先程のズブ濡れな様子はもちろん、色とりどりの
物珍しい風景を背に戦隊ポーズを取る、おバカな
集団を相手にシャッターを切っていた。

・・・アホ丸出しやなコイツら。

新入部員の中でも我々TRPG組に近しい3人も
楽しんでくれているようだった。
光流みつるちゃん、隼人はやとちゃんも一緒にズブ濡れになり、
YAくんは身長が高いことから戦隊ポースでは常に
センターでレッド役を任されていた。
時には光流ちゃん自らピンク役まで買ってでて
くれた。

いやあの…こんなガキ共に付き合わなくていいのよ?

そうこうしているうちに私たちは遊園地ゾーン
”マジカルクロス”に到着した。
ここの目玉はなんと言っても当時世界初の
立ち乗り式ジェットコースター『風神雷神』である。

『風神雷神』
見てるだけで足がすくむ・・・。

みんなで行列に並んで順番を待つ中、私は
カメラマンとして下で待機していた。
撮影と称して”難を逃れた”のである。

ごめんマジで無理なんよ絶叫マシン。


HAさんも高所恐怖症である。本来このテの
絶叫マシンは苦手なのだが、同じ中学出身の後輩
隼人ちゃんの無茶ぶりに巻き込まれてしまっていた。
降りてきたHAさんは顔面蒼白でほぼゾンビと
化していた。合掌。

さらに奥へと進む。
その先にはいよいよ、私個人が楽しみにしていた
あの”悪魔の塔”がそびえ立っているのだ。

塔の上では”クオックス”が出迎えてくれる。

続く。

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