見出し画像

雑記と私#18:『いとをかし』の精神

『いとをかし』。

誰もが古文の授業で習うであろう、
清少納言の随筆『枕草子』に頻繁に登場する
古語の表現である。

”をかし”とは様々な意味を含む言葉で、
「趣がある」
「美しい(あるいは可愛らしい)」
「興味深い」
「面白い(あるいは滑稽だ)」
など、何かしらの”感嘆”を受けた様子を表すために
用いられる。

そこに「とても○○」「大変○○」という
修飾語の”いと○○”が付け加わることで、
今風に表現するなら

「めっちゃエモい!」


といった感じになるわけだ。


さて、何故唐突にこんな話を始めたのか。
それはここ数日の出来事の中で、
自分の行動理念というものがどうやらこの
”『いとをかし』という言葉に集約されるのでは”
と、思い至ったからである。

これまでに書いてきた記事の中で、
私は自分が遊んできたもの、聴いてきた音楽、
入部したクラブ活動など、様々なものを
紹介してきた。

それらはすべて、その時々に
「興味深い」
「面白い(面白そう)」
と私の琴線に触れたものばかりだ。

その時代の、世間での流行などは
ほぼ気にかけていない。
あくまで自分が積極的に関わろうとするのは
何かしらの興味がそこに湧いた時だけである。

わかりやすく例を挙げるとすればゲームだろうか。
以前から申し上げているように私はゲーム好きだ。
だからといってメジャーなタイトルなどを
網羅しているかというと、答えは”否”である。
それがどれだけ人気のある、評判の高い作品で
あったとしても、私に”刺さる”ものでなければ
プレイする気になれないからだ。

趣味や事象だけではない。
”人との関わり”も同様だ。
私はどちらかというと内向的でモノグサである。
普段はあまり積極的に人との関わりを
持とうとはしない。
1人で居るほうが気楽なタイプだ。

しかし「この人は面白そうな人だ」という人が
現れた時はその限りではない。
何かしらアクションを起こし、その人にも
自分に対して興味を持ってもらえるよう試みる。

今の私を取り巻く人たちは皆、どこかに私が
”惹かれる”ところを持ち合わせている人なのだ。

そんな私の最近イチ推しの”いとをかし”の対象は
1人の野球少年である。
たまたま見掛けて興味を惹かれたその少年と
彼が起こした何気無い行動は、私の考えそのものを
変節させてしまった。

ほんの些細な出来事。
おそらく彼自身もそんな大袈裟な事だとは
露ほども思ってもいないだろう。
それでも、私にとっては何やら煮え切らないまま
燻っていた心を晴らし、重い腰を上げさせる
きっかけを作ったのだ。

福山雅治演じる『探偵ガリレオ』の湯川教授なら
きっとこう言うのではないだろうか。

「実に面白い。」

この御仁も”いとをかし”。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?