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ゲームと私[作品別編]:鉄拳3

以前雑記にも書いたが、私はかつてゲーセンで
バリバリに対戦していた格闘ゲーマーだった。

対戦格闘ゲームの一大ブームを巻き起こした
『ストII』がアーケードで稼働を始めたのは
私が高校生の時。
大学受験も視野に入れなければならない状況にも
関わらず、私は日々”立ちスクリュー”の練習に
励んでいた。ど阿呆ぅである。

社会人になってからもずっと格ゲーは続けていた。
その中でも1番熱を注いだのが『鉄拳3』だ。

鉄拳3。
最新作『鉄拳8』で主人公を務める”風間 仁”が
初登場した作品。ストーリーはここから世代を跨いだ
”三島家”の壮絶な権力抗争が激しさを増していく。

当初は”勤務先(=ゲーセン)”や地元を中心に
プレイしていたのだが、ある日買い物ついでに
たまたま立ち寄ったゲーセンで近々大会が
開かれることを知り、挑戦してみることにした。

私の勤務先は比較的賑やかな繁華街にあり、
対戦相手にはそれなりに恵まれていた。
そんな環境の中でもそれなりに戦えていたので、
その大会でもある程度やれるつもりでいた。

しかし、そこは次元が違った。
1回戦こそ勝ち上がれたものの、続く2回戦では
1ラウンドも取れなかった。

のちのち明らかになっていくのだが、そこは
鉄拳3では『関西のメッカ』とまで呼ばれる店舗で
”毎週”開かれている大会には京阪神の猛者が集う
まさに「修羅の国」だったのだ。
鉄拳3の情報発信では当時最先端で私が愛読していた
雑誌『ザ・プレイステーション』の鉄拳攻略班、
”秘密結社卍党”のライターにもその店舗出身の
プレイヤーが居たそうだ。
ザ・プレイステーション主催の全国大会でも、
その店舗は関西予選の会場となったくらいである。

その週の大会以降、私はほぼ毎週そこへ通い
大会に参加し続けた。
大会前の野試合も積極的に乱入してはボコられた。
ボコられながらひたすら”覚えた”。
どうにか1度でも大会で優勝してみたくなったのだ。

そうこうしてるうちに顔とプレイヤーネームを
覚えられ、そこでコミュニティに参加させて
もらえることになった。

以後はコミュニティに参加している猛者たちが
普段集まっているそれぞれの地元に遠征したり、
ご飯を食べに行ってそこで情報交換をしたりと
日々鉄拳3を中心に生活をするような有様だった。

残念ながらその店舗はシリーズ次回作
『鉄拳タッグトーナメント』稼働直後に
建物の改築とともに閉店してしまった。
それとともに集まっていたコミュニティも
散り散りになってしまった。

その辺りから私の格ゲー熱も冷めてしまい、
『ビートマニア』以降の音ゲーにとその興味は
移っていくことになったのだが、あの異様な
熱量は今となっても忘れ難いものだ。

その熱量、少しは仕事に向けろよ20代の私よ…。

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