雑記と私#59:初デート?
私の初恋は小学6年生の頃。
お相手は5年生の時から同じクラスだった
”Mちゃん”である。
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さて、まだそういった事を意識し始める前は
近所の公園で遊んだりした事はあったものの、
どこかへ出掛けるという事まではさすがに
なかったわけだが、ある時そのチャンスが訪れる。
キッカケはお互いの弟たちである。
私たちが小学校を卒業し、中学入学を控えた
春休みのある日。
もうすぐ小2の弟たちが映画を観に行きたいと
言い出した。
春休み中の映画といえば定番の”ドラえもん”。
この時公開されていたのは第7作、
『ドラえもん のび太と鉄人兵団』である。
これに対してウチのオカンは私に
「アンタ連れてってくれる?お小遣いやるから」
へいへい、おやすい御用でごさいますよ。
ふたつ返事で引き受けると弟ズたちは大喜びだ。
よしよし、愛いヤツよのぅ。
次の日、また遊びに来たMちゃんの弟くんは
私に思わぬ不意打ちを喰らわす。
「お姉ちゃんも来るって~」
・・・なぬ?
Mちゃんと一緒に映画ですと?!
毎週土曜日になると下校前に弟たちを迎えに
2人で1年生の教室へ向かう日々は、卒業と
ともに終わってしまった。
それがこんな形で”延長戦”を迎えることに
なるとは、もうその時点からドキドキである。
数日後。
玄関のチャイムが鳴る。
同時に私の鼓動も高鳴る。
いよいよMちゃんとお出掛けである。
といっても、行先は歩いて10分ほどの近くの
商店街。その中にある小さな映画館だ。
それほど遠出というわけではない。
それにどちらも同伴者連れだ。
それでも!ユニコォォォン!
商店街をぶらぶらと、弟ズを挟んであれこれ
話しながら映画館に向かう。
内心ドキがムネムネである。
会話が途切れないよう、必死に話すことを
探しながら歩く。
デート(?)って意外と大変…。
勝手にそんな事を思っていたような気がする。
1人だけ半分妄想の世界に浸りつつ
映画を楽しみ、そのまま家路に着く。
何だかんだでいざ映画が始まってしまうと
そっちに没頭して他の事には意識が回らなく
なってしまうのだから勝手なものだ。
まぁ、あくまで今日の主役は弟ズなのだ。
2人が楽しそうならそれでいいのだ。
それにしても・・・。
お姉ちゃんの顔してる時のMちゃんは、
やっぱり普段より可愛く見える。
中学でも同じクラスならいいんだけど。
そんな淡い希望を抱きつつ、春の日の
午後は穏やかに過ぎていった。
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