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(65)健康保険・厚生年金保険の任意適用事業所について その3

 もし健康保険・厚生年金保険の任意適用事業所をやめる場合には、健康保険・厚生年金保険の被保険者である従業員の3/4以上の同意を得て厚生労働大臣に申請をすれば、任意適用事業所をやめることができます。

☆☆☆☆☆資料84 ~ 任意適用事業所/健康保険法第33条、厚生年金保険法第8条

 
①任意適用事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けて、その事業所を
 適用事業所でなくすることができる。(第1項)

②前項(上記の①)の認可を受けようとするときは、その事業所の事業主
 は、その事業所に使用される者の3/4以上の同意を得て、厚生労働大臣
 に申請しなければならない。(第2項)

 ※「その事業所に使用される者」は、適用除外に該当する者を除く。

参考までに ~

③厚生労働大臣は、第8条第1項(上記の①)による認可を行ったときは、
 その旨をその事業主に通知しなければならない。
 (厚生年金保険法第29条第1項/通知)

④事業主は、前項(上記の③)の通知があったときは、すみやかに、これを
 被保険者または被保険者であった者に通知しなければならない。
 (厚生年金保険法第29条第2項/通知)

罰則 ~

⑤事業主が、正当な理由がなくて第29条第2項(上記の④)に違反して、
 通知をしないときは、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金に処す
 る。(厚生年金保険法第102条第2号)

★★★★★資料84はここまで ~

 この健康保険・厚生年金保険の任意適用事業所について注意しなければならない点があります。

 業種にもよりますが、個人事業所で従業員が5人以上であれば強制適用事業所になりますが、従業員の人数が足りないので健康保険・厚生年金保険の強制適用事業所になれない事業所が、この健康保険・厚生年金保険の任意適用事業所になった後に、雇用する従業員が増えて5人以上になった場合には、健康保険・厚生年金保険の任意適用事業所をやめる手続きをすることはできません。

 もし5人以上従業員がいる個人事業所(健康保険・厚生年金保険の適用事業所)で被保険者である従業員が退職するなどして、5人以上でなくなった場合は“擬制任意適用事業所”となります。

 健康保険・厚生年金保険の任意適用事業所の申請があったとみなされ、そのまま健康保険・厚生年金保険の適用事業所として継続することになります。

☆☆☆☆☆資料85 ~ 擬制任意適用事業所/健康保険法第32条、厚生年金保険法第7条

①適用事業所が、適用事業所しなくなったときは、その事業所について厚生
 労働大臣の認可があったものとみなす。

★★★★★資料85はここまで ~


 今回はここまでです。またよろしければ次回(6月23日予定)もお読みください。


反省と今後について ・・・

 更新する度に「なんだか教科書のような」感じがしないでもありませんが、残念ながらしばらく続くかと思っています。

 さて、今回で「任意適用事業所について」今日です。厚生年金保険の事業所に関係する内容が続いていますから、「特定適用事業所について」でもよかったのですが、その前に「国民年金の第2号被保険者・厚生年金保険の被保険者について」、「厚生年金保険の適用除外」、その後に「国民年金の第3号被保険者について」を取りあげてから、「特定適用事業所について」に移った方がいいかと思いまして、先に「国民年金の第2号被保険者・厚生年金保険の被保険者について」を取り上げます。その方が各制度についてのご理解がすすむかと思っています。

 申し訳ありませんが、「特定適用事業所について」が終わるまでは、少し“教科書めいた”内容になると思います。

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