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人事とマーケッティングの接点

以前からうっすらと気になっていたのだが、マーケティングと人事企画の仕事は思考プロセスが似ている。

 ドラッカーによると、マーケティングとは「顧客を理解し、製品とサービスを合わせ、自ずから売れる状態にすること」である。そして、「マーケティングの理想は販売を不要とすること」と主張している。要するに、マーケティングとは「仕組み」づくりと喝破しているのである。

翻ってHR。
人事企画担当は、従業員を理解し、制度やプロセスを合わせ、おのずからヒトが気持ちよく働いてもらえる状態にすることをいつも考えている。
3Cや4Pも100%ではないが、似たような思考構造化プロセスを取っていて、実際、私もSWOT図なども使って役員説明したことも何度かある。
 
もちろん、財やサービスの対価として金銭を受け取るマーケティングと、HRはCashの流れは逆である。しかし、金銭の対価として従業員の「時間」を受け取るという意味では、従業員も大切なクライアントと扱える。人事企画担当者は、マーケターとしての発想をもって制度を構築していくことが必要だろう。

さらに、採用担当者や部門人事がいなくとも、おのずとヒトがあつまり、企業成長に力を貸してくれる状態を作ること、これが人事企画理想になる。ウルリッヒが、HRBPの役割をアウトサイドインといっていたのもこの文脈で理解したい。つまり、HRBP=マーケッター=仕組みを設計するヒトなのではないかと思う。
たしかに、採用の場面では、オウンドメディアやダイレクトリクルーティング等の手法が出てきているが、販売手法の一貫として理解するべきで、採用プロセス自体を不要にすることがHRBPの役割といえる。

現場で日々奮闘されている人事パーソンの名誉のために付言すると、ドラッカーも、なんらかの販売は必要といっている。顧客接点業務=従業員接点業務としての人事担当者の仕事は残る。