もう映画は観なくていいかもしれない
私は映像系の大学を出ていまして、
映像系の会社にも一時期勤めていました。
普通の人よりは映画に詳しいつもりだったし、映画好きを自称していました。
でもあるとき映画が観たいものから
観なければならないものに変化していることに気付きました。
そういや最近何を観ても面白くないな…
映画がどれだけ面白くても、別に何かをしてくれるわけではないからです。
仕事を見つけてくれるわけでもないし、問題や迷いに対して答えを教えてくれるわけでもないからです。
映画なんか見たってしょうがないよな…と、いつしか映画を観なくなりました。
近くの映画館のメンバーシップに入っていたのですが、
それも延長することなく、期限が切れました。
でもあるとき、
ショックから逃れるために逃げ込んだのは映画館でした。
体調を悪くしてテレビ見るくらいしかできないとき、
再生したのは録画していた映画でした。
再生すると感動するような場面でもないのに泣けてくるんです。
映画は、映像は私に何かしてくれるわけではありません。
そこにあるのはただの幻想です。
それでも映画はわずかながら、
本当にわずかながら寄り添ってくれるのです。
それが映画なのかと。
それが映画や映像の価値なのかと。
きっとそういうものにかけるわずかな希望みたいなものが映画にはあるんだと思うんです。
昔ほど映像に夢中になることはないでしょう。
それでも、きっとつらいとき
私は映画を観ることになるんだろうな。
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