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うつで休職。その後リワークに通った感想3/3【モヤモヤしたことあれこれ】

 本記事はリワーク関連記事3つ目となります。1つ目ではリワークに通った一連の流れ、2つ目では具体的なプログラム内容についてまとめてきました。今回は総括的な感じで、私個人の意見が多めとなっています。(前回までの記事へのリンクはこの記事の一番下に貼っておきました)

3.モヤモヤしたことあれこれ

3-1.無視できない個人差―前提として、リワーク施設の合う合わないは個人差がある―

 人間、誰しもうつ病のような精神疾患になる可能性があると思いますが、特になりやすい人の一例として、元々発達障害(グレーゾーンや未診断を含む)等を抱えていて、日頃ストレスを感じやすい人が挙げられると思います。つまり、元々対人関係などに苦手意識があって、その影響も受けて精神疾患になった人にとっては、人との交流の多いリワーク施設に通うことは、リワークによるメリットよりも、新たに受けるストレスというデメリットの方が大きいかもしれません。
 私が通ったリワークではグループワークなんかも多くて、私はこういう複数人でのディスカッションみたいなのが苦手なのですが、同じタイプの人には結構ストレスを感じるかもしれません。実際、私以外にもかなり緊張しながら無理して喋っているような方もいましたので、人によっては逆効果じゃないかと感じました。「世の中ストレスがあって当たり前」と思う方もいるかもしれませんが、仮にも「復職支援」の施設なので、そういう場で利用者がつまずきを感じてしまうと、通常の社会でつまずくよりも「自分はダメなんだ」と思いやすい気がします。こうなると社会復帰へのハードルが上がってしまう気がして良くないのではないかと思いました。

3-2.本当に考えを改めなければいけないのは誰なのか、プログラムは誰のためにあるのか

 リワークでは、なぜ自分が精神疾患になってしまったのか、自分の思考の癖を見つけるというワークがありましたが(認知行動療法)、今思うと少々理不尽に感じる部分もあります。精神疾患を患う人は劣悪な環境に居て精神を病んでしまう人も多いのに、そういった人に対しても、「あなたの考えに問題があるんですよ」といったような自己責任論を押し付けている少し強引な印象を受けました。
 他には、アンガーマネジメントでは自分も相手も傷つけない対処などを学びましたが、そもそもこういうことは、メンタル不調に陥った人よりも、陥れる側の人ができていないことに問題があると思います。そこをスルーしてメンタル不調者だけに対処方法を学んでもらったところで、意味がないかと思います(これは組織の風土とかの問題になってくると思いますが)。
 うつ病等になる人は、元々自分を責めやすいタイプであり、それが行きすぎた結果がうつ病になったとも言えるかと思います。そんな人に対して「あなたの考えに問題がある。考えを改めなさい」なんて言ったらむしろ症状が悪化するのではないかと思います。
 プログラムは利用者のために存在していることは分かっていますが、追い込まれた人がこういったことを学んだところで、追い込む側の組織や人間が野放しでは意味がないじゃないかと無力感を感じてしまいました。

3-3.リワークに通うか否かの判断

 会社の保健師や、メンタルクリニックの主治医などは、復職予定の人にリワークを勧めることが多いかもしれません。というか、立場上勧めざるを得ないのかもしれません。だとすれば大事なのは、休職している本人が通う・通わないを決断することです。リワークは別に強制ではありません。
 もしもの話ですが、私が休職した頃に戻れたとしたら、リワークには通わないかなと思います。というのも、私は一度はリワークを経て元の会社に復職したのですが、再び限界を感じて結局は転職したからです。
 転職まで遠回りしてしまったと思いますが、転職はして良かったと思っています。これは転職先がいい会社だったということではなく、とりあえず自分のストレスの大元であった転職前の会社から抜け出せて良かったという意味です。
 ただ、結局辞めることになった会社への復職を目指してリワークに通ったことは、正直時間がもったいなかったなと思うので、もし私が今、休職した頃に戻れるとしたら、リワークには通わない選択を取りたいと思います。具体的には、下記のA。健康的に厳しければBなど。

A:[休職→元気になってきた頃に転職先を探してみる→可能な範囲で転職準備を進める(履歴書等)→リワークに通わずに復職する→準備を活かして転職]

B:[休職→退職→再就職?](収入が途切れる心配はもちろん、一度社員じゃなくなると社保から国保に変えたり面倒そうなイメージがあるため、無職期間が短そうなのであればなるべくAを目指したいかも?(実際に面倒なのかはよく分かりませんし、貯蓄などにもよるでしょう))

 ちなみに、休職経験やメンクリの通院歴などは、自分から言わなければ転職先に知られることはないと思います。なので自分が頑張れそうなのであれば、復職後に転職すればメンタル不調になった経歴を引きずらずに社会復帰は可能です(クローズ就労)。
 不調についての配慮を得たいのであれば、精神疾患を伝えた上で一般枠で働くオープン就労や、障害者雇用という選択肢もあります。ただ、フルタイムじゃなくなって収入減という問題もあるようです。(要件を満たせば障害年金で補えるかもしれません。)
 他の選択肢としては、フリーランスを目指すとか、不調気味なら一度フルタイムはやめてバイトをするというのもありますね。貯蓄があれば一旦無職になってそれから立て直すという人もいるかもしれません。それぞれの経済状況によるでしょう。(雑ですいません)
 まとめると、リワーク通うべきか否か、私個人の見解としては「元の会社に戻りたいか」or「転職またはその他の選択をしたいのか」を自分に問いかけたときに、前者だった場合のみリワークに通うのがいいのかなという感じです。

3-4.余談

 リワークというのは、怪我で例えるとリハビリみたいな位置づけになると思います。しかしそのリハビリが利用者にとって精神的苦痛を感じるものであれば、利用しない方がマシなのではないかと思ってしまいます。もちろん人によって合う合わないがあるのでリワークそのものがダメとまでは言いませんが…。
 本格的に復職する自信はないけど、かといってただ休職しているだけなのも罪悪感を感じる…という人にはリワークは案外合っていたりするかもしれません。リワークに通ったけど、途中から困難になって再び療養することになった方もいます。「リワーク」ですから、休みと仕事の中間ですから、そんな風に歩いたり、止まったりしていいと思います。自分の体と心をいたわることが一番です。
 ネットでリワークについて調べると、福祉に関することだからか公式のサイトばかり表示されて「リワークには通った方がいいですよ」という情報ばかりが目立っていて、「実際のところリワーク利用者はどう思っているのか」がよく分からないなと思いました。(多分、ブログなどで避けるべきと言われるYMYL(お金や健康に大きな影響を与える可能性のある内容)に該当するからだと思います。こういった記事は検索しても上位に表示されにくいようです。)
 ここまで、リワークについて色々と否定的なことも書いてしまったかもしれません。ただ私は、リワークに通うまでリワークがどういうものかよく分かっていなくて、通う前にこういうことを知れれば良かったなと思い、一利用者としてリワークについて思うところを書かせていただきました。リワークに関する記事を3回にわたって書いてきましたが、とりあえずこの記事で終わりです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

↓前回までの記事

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