14-12
この頃の私は、慌ただしかった。
アルバイトをしたり、習い事をしたり、テストがあったり。
年末に入院した家族の状態があまりよくなかったり。
2月なかばからの春休みは、地元の自動車学校に通った。
そして、家族が入院している病院へ通ったり、他の家族の世話をしたりしていた。
大学での予定もあったので、その都度往復をしていた。
大学に入学してから、私は先生からもらった手帳に、日々の出来事を事細かに書き記していた。
それが、この頃から大まかな予定と出来事しか書かなくなった。
この春休み、先生にいつ会いに行ったのだろう?
確か、春休みに入る2月中旬に、一度電話をして、去年の今ごろは受験に向かう電車で会った、という話をした。
その後、3月20日頃に電話をした。
「先生が異動するかしないか」を確認した。
「高校」でしか繋がっていない私にとって、先生が別の学校へ行ってしまうのは、死活問題だ。
この時は、異動しない、という返事をもらって、とても安心をした覚えがある。
この電話の時だっただろうか。
先生に「去年もらった手帳のリフィルがほしい」という、図々しいお願いをした。
先生は、不快感を示しながらも、渋々私のお願いをきいてくれた。
自分でも、イヤな奴だ、ずるいなぁ、と思う。
これは完全に「たかり」。
もちろんこれも、買うのをケチってるのではなく、先生からプレゼントが欲しかっただけ。
実は、住んでいる町の大手雑貨店で、同じ手帳が売っているのを発見していた。
家にはネットは引いていなかったが、学校でネットを使うことはできたし、この頃はあまり普及していなかったが、ネット通販でも買えたはずだ。
今住んでいるところは、本当に田舎な地方都市だったが、地元よりは栄えていた。
年度末で忙しい先生が買うより、私が自分で買った方が、よっぽど早かっただろう。
本当に、嫌な生徒だと思う。
私は、この年度も先生からの手帳を持って過ごす事になった。
この年度は、私の人生のなかで確実に一番激動の1年だった。
いいことも、悪いことも、たくさんたくさんあった。
私が先生と会った、最後の1年間。
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