氷室冴子先生の「藤花忌」に参加させていただいたこと

主にコバルト文庫で活躍されていた氷室冴子先生をご存知の方もいらっしゃるでしょうか。

私は、小学生のときから熱烈な、まず、「コバルト文庫」のファンでした。
コバルト文庫…
今でも手放せずに手元にある作品がいくつもあります。
その中でも私の人生を変えた出会い、それが、氷室冴子先生の
『なんて素敵にジャパネスク』と『銀の海金の大地』です。
https://cobalt.shueisha.co.jp/contents/japanesque/

なんて素敵に…は平安時代を舞台に、銀の海…は古事記の世界を舞台にした作品になります。
瑠璃姫と高彬は、今思えば私の元祖推しカプです。
銀の海…では真秀と佐保彦の初めての共寝の場面の言葉の美しさに
どれほど魅了されたことか…。
私の心の中には今も瑠璃姫が、そして真秀がいます。

氷室先生の作品との出会いはまさしく私の人生を変えたものだと思えます。
でも15年前に氷室先生は51才でお亡くなりになったのでした…
その氷室先生を偲ぶ「藤花忌」が行われていること、ずっと知ってはいたのですが、あまりにハードルが高くて参加できずにいましたが、今年思い切って参加してきました!

私はチェリまほ(原作、映像どちらも)に出会って、まさしく人生が変わった、と思っているのですが、そこで得た大きな学びが、まさに、「推しは推せるときに推せ」「好き&それに基づく感謝を伝える」「好きだという思いを実行に移す」です。これも私にとってはかなり人生を変えるエポックメイキングのようなものです。
それを思えば、ハードル高いとか言ってる場合かと…で、事前に「藤花忌」への参加の申し込みをしたのでした(前日に。チキンぶりが表れる所業)。

詳述は差し障りがあることもあるかと思い避けますが、個人的には、氷室先生の墓前で、今までの感謝と思いを伝えられたことは本当によかったと思いました。

また、原作だけではなく、山内直実先生の漫画化された作品も大好きなので、いらしていた山内先生にその思いを伝えられて本当にありがたかったです。

そして、あぁ、作品は生きる、仮に作者が亡くなっても生きるのだ、ということを改めて痛感…まさに痛感する一日となりました。
かつ、そのように作品を生かすのは、作品を愛する私達なのだ、ということも改めて痛感する一日でした。

このことは、アニメの「平家物語」を監督された山田尚子さんもムック本のなかでおっしゃっています。

作品を読み、愛する人々が作品を次代につなげる歯車の一部になるのだと。

基本平安クラスタなので、平安時代の文学を次代につなげる歯車になる、という文脈でこの山田氏の言葉はとても胸に刺さったのですが、今回、氷室先生の作品についても、「藤花忌」に集まられた多くの人々の愛を目の当たりにして、あぁ、作品を生かすのは享受者なのだ、ということを実感して胸が熱くなりました。
私達が推しを推すことには意味がある。作品を生かしているのだ、と。
もちろん作品を生み出してくださる作者やその作品に関わる人たち(制作する人、演ずる人…)がいることが第一です。
でも、それを愛する私達がいて、作品は永遠の命を得るのだと。

私はこれからも氷室先生の作品をずっと愛します。
その愛を伝え、新しい読者を広げていくのも大事なことなのだなと改めて思ったりもしました。

もし、皆さんのご実家にも氷室先生の作品が眠っていたら、是非再読し、
よろしければ次世代につなげてください。

今そうした先進的な取り組みをされている嵯峨景子さんの新著も今月には刊行予定のようです。

そして改めて、私は推し(たち)を愛し、大切にし、その愛と感謝を伝えていこうと思ったのでした。

推しって素敵。


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