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【詩】 詩(うた)

                       麗日
                              八木重吉
                     桃子
                     また外へ出て
                     赤い茨の実をとって来ようか

一日一日と
死んでいる

けれども
生を照らす死は
あるのだろう

影となった人のおかげで
その時ばかりは
生きているのだ

かつて、泥水の中を
目を開けることができず
進んでいるような
後退しているような
そんな粘着質の時間があった

人の気配を感じている
わたしの気配を感じさせている
うたにのせて
いないと言う感覚
いると言う感覚を
いまとこのさきを

うたうならば
やさしい言の葉で
花を包みたい
奏でるような色彩の
静かな時が
静かな季節の庭を
流れてゆく

やがて訪れる
うるわしき日にむけて


(スマホでは体裁が崩れていました。失礼いたしました。)

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