9日目(快晴)30代夫婦ヨーロッパ珍道中


ジャーマンレイルパスでハイデルベルクへ


この日は、旅行会社の方お勧めのハイデルベルクへ行くことに。我々はフランクフルト中央駅へ向かい『ジャーマンレイルパス』を買うことにした。
この日以降、ドイツに滞在する予定であるため、このパスがあれば一部を除く公共交通機関は乗り放題になる(予約席は窓口等で確保をお願いする必要がある)。お得なパスを買うために窓口に行ったのだが、10以上ある窓口は3つしか空いておらず、1時間以上待たされるとのことだった。

ストでもやっているのか。普段からこんなものなのか。ともかく待つことに。ようやく回ってきた窓口でも、こちらの意図が伝わりづらく難儀をした。ジャーマンレイルパス以外に予約席も取ってもらおうとしていたが、意図が伝わらず。お互いにgoogle翻訳を使うも、上手く翻訳されないので良く分からないやり取りが続く。ようやくチケットを手にした時には、当初の出発予定時刻を2時間過ぎていた。「まぁ、ゆっくりでもいいか」と呑気に構えて電車で移動することに。

眉間のしわ


時間は前後するが、チケット購入前にフランクフルト中央駅のマクドナルドで朝食を摂った。この後、ジャーマンレイルパスのチケットと翌日、翌々日の予約席を取るために窓口へ向かう。
私は予約席が取れるか、窓口でなんと伝えたらいいか一人でウンウン悩んでいた。昨日のうちにGoogle mapで調べていた列車が、今日はなぜか使えないことになっていたのだ。妻は「大丈夫だよ。普通に聞いてみたらいいじゃん」とのこと。そうではあるが、『普通になんと聞いたらいいのか』を悩んでいるのである。そして、聞いた後の返答をどうするかというところまで私は考えてしまう。まぁ、いつものことである。小心者の私はウンウン心配し、楽観的な妻は余裕で食事をする。結局、問題なく窓口でやり取りできたのであるが…。
一人ウンウン悩む様子を見た妻は私の写真をパシャリ。眉間にしわを寄せた般若が写っていた。「旅行中、常にこんな顔をしてるよ」と笑う妻。何から何まで自分たちだけでやろうとすると般若の一人や二人は出てしまうのである。『楽しむ』よりも『何としないと』が勝ってしまう。妻は般若になった私の写真を何度も見ながらケラケラと笑っていた。

味のない肉とベルトと


ハイデルベルクへ到着。一通りぶらぶらした後、食事にすることに。ドイツ料理が食べたかったので、シュニッツェルというドイツのカツレツを頼む。ドン!とカツレツが盛られた横に、これもドカンとザワークラウト(酢キャベツ)が盛られていた。
ただ、私も妻も体調不良で味が分かりづらい状態であったため、しょっぱいは辛うじてわかるものの味は良く分からない状態だった(妻の方はほぼ食感しかわからない状態だった)。カツを食べたが、ケチャップの味しかしない。下味がついていないのか、私の舌がおかしいのか…。楽しみにしていた料理も十分に楽しめず、我々は店を後にした。

その後、自分へのお土産を買おうと革細工のお店へ。優しそうな初老の女性が笑顔で迎えてくれた。しばらく悩んだ後、私はベルトをチョイス。ちょいと高めのお値段だったが、すべて手作りとのこと。なるほど、一つ一つに味がある。味覚がなくなった私は目で手作りの味を楽しんだ(ウマい!)。
革ベルトを選んだ後、ベルト穴をあける工程を見学させてもらった。一つ一つ手作業で丁寧に空けていく。「あなたはまだ若いから、後で太っても調整できるようにあえて革を多めに残しておいたよ」と冗談めいた笑顔で気遣いも頂いた。今回の旅行を通して初めて自分からチップを渡したいと思った。「素敵なものをありがとう」とメッセージを添えて多めに支払うと、女性はびっくりした様子だったが、満面の笑顔でありがとうと伝えてくれた。旅先でのひと時の交流を終えて、再びフランクフルトのホテルへ帰った。

妻の警戒


ハイデルベルクでの旅を終えてフランクフルト中央駅へ戻ると、妻がしきりに「危ないよ!」と小声で話しかけてくる。不審な人がいるからと気を付けるようにとのことらしい。確かにフランクフルト中央駅には怪しげなホームレスや、やたら周囲をキョロキョロするだけの男がいた。そういった輩は私も危険と思ったが、妻はそれ以上に敏感だった。がっしりした体格の男性や、ひげが生えた男性がすれ違うたびに「危ないよ!」と袖を引っ張る。そんな妻を見て、私の頭には「アブナイヨ」という言葉を覚えたてのインコのイメージが浮かんだ。

旅の概要と全日程のリンク


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