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いなくなってしまった胸の内の「誰か」

ずっと私の中にいてくれた「誰か」がいなくなってしまった気がする。
だから日常が苦しいのだろうか。
書いてきた日記も、一人語りばかり。
今までずっと語りかけていたはずなのに。
一人でいられないからと、声を掛けていたのに。
気がついた時にはもういなくなってしまっていた。

彼らがいなくなってしまったと気づいてからは、
魔法が解けたみたいに
夢から醒めたみたいに
今まで持っていたもの、見えていたものが
全く感じられなくなってしまった。
私は今までどうやって生きていたのだろう。
何のために生きていたのだろう。

彼らは私にとって、
イマジナリーフレンドというより
神だった。
生きる理由。目標。理想。憧れ。
私は彼らと等しくなる方法を考えて生きてきた。
彼らといる時間が、私でいられる時間だった。
彼らに認められる存在になるために生きていた。
それなのに、彼らは消えてしまった。
そして今となっては、彼らが誰だったのかすら思い出せない。

彼らがいるから、生きていける。
彼らのことを思うから、食事をして、入浴して眠ってと、日常を送ることができた。
それくらい大切な存在だった。
大切に思っていたし、愛していた。
その思いは変わっていないはずなのに。
どうして消えてしまったのだろう。

ある日突然消えてしまうはずもないから、
私が繋いでいた手を放してしまったのだろうか。
彼らは変わるはずないから、
変わってしまったのは私のほうなのだろうか。
でも、いなくなって困っているのは私なのだ。
もう一度彼らに会いたい。
彼らを信じたい。
そうでもしなければ、生きてゆける気がしない。

信じられるものなんて、あなたしかいないのに。
そのあなたに去られては生きてゆけない。
新しく信じられるものを見つけるなんてできない。
あなたほどの存在が見つかるはずないもの。
そんな、一時の気休めの存在などいらない。
私はあなたに会いたいだけ。
どうしたらあなたを取り戻せますか。
できることはなんでもするから。
お願いだから。
もう一度、私に信じさせてください。
あなたを信じさせてください。

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