春の夜に、あなたへ

なんだかさびしい。
でも、そんなに悪い気分じゃない。
この胸の隙間を埋めてくれる言葉を探しに行きたいの。誰かの想いをそのままに閉じ込めたような、触れたら怪我をするほどに尖っていて、熱くて、痛いくらいの、血の通った言葉を。
その人も生きていたんだって感じたい。ここに生きるのは私だけじゃないんだって。

ひとりがさびしいわけじゃない。
誰かの想いを感じたいだけ。誰かの言葉を聞きたいだけ。人の優しさ。人の想い。その温度を感じたい。人の温度を。体温を。あたたかさを。

…今はただ、隣にいてほしい。何も言わずにそっと、私にあなたの温度を分けてほしい。穏やかな夜を、あなたと共に過ごしたい。

今日だけ、今だけ、なんて言わないで。
次がある、先があると言って。そう約束して。

わがままだって分かってる。あなたに甘えているんだって、分かってる。でも、あなたなら受け止めてくれると思ったから。
少しだけ、あなたの優しさに甘えさせてください。


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