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#41 むつかしいこともいつかへっちゃらになる【絵本:おかあさんはね】

長女の運動発達の遅れに悩んだとき手にした絵本

あのとき、私は不安でたまらなかった。

長女の10ヶ月検診のとき、ハイハイすらしない赤ちゃんが他にいなかったから。

当時はまだコロナ禍ではなく、一部屋に30組くらいの親子が集まっていた。

同じ月齢の親子どうしの子育てサークルにも参加していたので、
長女の運動発達が遅いことには気づいていた。

でも、そのサークル以上にたくさんの赤ちゃんと比べた時、
長女の運動発達は本当に遅いんだなぁと実感した。

この子は大丈夫なんだろうか。私は不安になった。
ハイハイのみならず、立たせようとしても立たない、
つかまり立ちすらできない状況だった。

私は健診で、小児科の先生に「大丈夫でしょうか」とたずねた。
すると、先生は
「大丈夫でしょう。様子を見ましょう。1歳になったら、また見せてください。」と言った。

大丈夫、と言われたものの、
私は不安でたまらなくなり、健診の帰り道、涙がこぼれてしまった。

そんなとき、本好きな私は本屋さんに立ち寄った。

ふらりと手に取った一冊を読んでいたら、止まったはずの涙が再びあふれだした。

おかあさんはね

"子供に毎日伝えたい、ことばの贈り物。"
子どもの健やかな成長を願う終わりのない愛の絵本。
「児童書界のフレッド・アステアとジンジャー・ロジャース」と呼ばれているエイミー・クラウス・ローゼンタール&トム・リヒテンヘルド。
このコンビの類まれなる才能は、子どもを持つすべての人々の「願い」の集大成を作り上げました。
全米のみならず世界中で共感を呼び、各国で翻訳されている話題の書。

出版社「マイクロマガジン社」より

だいじょうぶ、だいじょうぶ

この絵本には、おかあさんに限らず、
子どもをもつ全ての人のもつであろう「願い」が集められている。

そのときの私に一番響いたページはここだ。

だいじょうぶ だいじょうぶ
むつかしいことも
いつか へっちゃらになるから

隣には、靴紐を結ぶ女の子の絵が書いてあった。

そうだよね。
靴紐を結ぶことだって、はじめはとってもむずかしかった。
でも、いつのまにか、できるようになってた。

そうだ。長女だっていつかは立てるようになるし、
いつかは歩けるようになるはずなんだ。

だから、だいじょうぶ、だいじょうぶ、なんだ。

そうやって読みながら、なぜかほっとして、涙があふれたのを覚えている。

その後のこと

1歳になったときの健診では、まだ立てるようになっていなかった。
ズリバイがやっとできるようになったところだった。

小児科の先生は
「様子見で大丈夫、家庭でできる範囲で練習すればよいです、歩くのは1歳3ヶ月くらいでしょう」
と言ってくれた。

でも、私はどうしても心配だったので、
運動発達の支援を受けられる施設を紹介してもらい、週1回通った。

その施設で受けた発達の支援は、自宅でする遊びのようなものばかりだったので、その支援のせいかどうか分からないが、

1歳4ヶ月になったとき、長女はちゃんと歩けるようになった。

その後も特に問題はなかった。

結果論だが、本当に「だいじょうぶ」だったのだ。

私は心配をしすぎていたのかもしれない。

運動の支援を受ける必要もなかったのかもしれない。 

でも、今日ここでお伝えしたかったのはそのことではない。

この本の言葉は、親の心にも語りかけてくれる

今でも時折この絵本を読むと、
このページで涙が出そうになってしまう。

ここに書いた当時のことを思い出すからだ。

そして、思う。

よかったね。
へっちゃらになったね。
へっちゃらに歩けるようになったね。

大丈夫、大丈夫だよ。
かならず、今できないことでも、
むずかしいことでも、できるようになるよ。
できるようになるまで、何度だってやればいいんだよ。

そうやって、子どもたちに語りかける。

同時に、どうしても我が子のことを心配してしまう自分にも
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と語りかけている。

今できないことも
いつか必ずできるようになる。

親である私にできることは
せいぜい
できるようにする種をまいたり、
見守ったりすることくらい。

この本を読んでいる時、私はしんみりするけど、
子どもはしんみりしていない。

もしかしたら、親のための本??
ぜひ、本屋さんでみかけたら読んでみて下さい。

読んで下さるあなたがいるから、今日もnoteが書けています。 またお時間のあるときに見に来てくださると嬉しいです。