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「博物館」のすすめ

目白「切手の博物館」での体験

随分前の話ですが、目白の「切手の博物館」に行ったことがあります。
行ったと言ってもわざわざ「切手の博物館」を目的として目白に行ったわけではなく、田中屋という酒屋にクラフトビールを買いに行ったついでに散歩をしていたら偶然見つけて寄ったという次第です。
「博物館という割にそれほど大きな建物でもないけど、入館料も安いし、時間も潰せそうだな」という軽い気持ちでした。
しかし、いざ入館すると世界中の切手が所狭しと並んでいて、そんな年でもないのに子供のように目を輝かせながら閉館時間まで楽しみました。
切手と聞いて多くの人が想像するのは、幅1〜2cmの長方形の紙の片面に糊付けされていて、もう片面には風景や動植物、あるいは人物の絵が書いてあるものだと思いますが、実際に展示されている切手の多くは、自由な形・大きさをしていて、より凝った意匠のものが多く、小さな美術作品とみなして良いものばかりでした。
もちろん実用向けに作られたものではなく、何かの記念として作成されたものがほとんどだとは思いますが、身近にある実用品が、実は美術の一面も持っていたと言うのを実感できた瞬間です。
コインや切手などがコレクターアイテムなりうると言うのは知っていましたが、単に知っていると言うのと、実際に見聞きしたと言うのとでは大違いです。
下記にリンクを貼りますのでご興味ある方はぜひ。

博物館巡りの利点

「切手の博物館」での体験以降、ふと何かの用事で出かけた時には、近くに博物館やそれに類する資料館がないかを調べるようになりました。
未知のものについて自発的にあまり調べると言うことをあまりしてこなかったので、博物館に行く習慣がつけば否が応でも自分の知らないことを見聞き、体験できると踏んだからです。

何かのついでに行くことが肝

ここで大事なのは「何かの用事のついでに行く」と言うことです。
私は出不精なので、興味の度合いが低い分野の博物館に、電車で何十分もかけて行くと言うことは中々出来ません。
しかし、やむを得ぬ用事があって外出したものの、用事が早く済んでしまった時なんかはその街を探検したくなります。もちろん駅前や商店街をお散歩する、地元の人しか行かないような店に行くといったこともいいですが、ここでその土地に博物館があったならばぜひ行ってみてください。
普段ならば決して触れることのない街の歴史や人物の歴史、はたまた産業、美術品などに触れることができます。
ウェブで自発的に調べることもなければ、そもそもウェブに情報のない知識や体験が得られることでしょう。

入館料は総じてお安め

また、博物館巡りのもう一つの利点として「入館料の安さ」があります。
大概の博物館では入館料が大人100〜300円で設定されているので、何の気なしにぶらっと入るにはちょうどいい出費です。
ただし全部が全部というわけではありませんので、事前にウェブサイトで把握しておいてください。

博物館は沢山ある

ここまでは博物館の魅力を語りましたが、そもそも博物館なんてどこにでもあるようなものなのか?と言う疑問を抱く方もいらっしゃることかと思います。たしかに私も偶然に「切手の博物館」を発見したものの、他の街では博物館なんてあまりみたことがありません。
しかしそんな心配は無用です。

「東京都統計年鑑平成31年・令和元年 博物館及び同種施設数」(以下、「博物館数の統計」と言う。)によれば、都内には「総合博物館」「歴史博物館」「美術博物館」「科学博物館」の4種が合計252館もあるそうです。
この4つの呼称がそれぞれどんな博物館を指しているのか、法律上の定義でもあるのかと思って調べましたが、特にこれといったものは見当たりませんでしたが、おそらくは、
総合博物館:人文科学、自然科学の両方を総合して展示しているところ(上野の国立科学博物館のようなところ)
歴史博物館:人物や郷土、産業の歴史を展示していところ(「〇〇郷土資料館」といったところ)
美術博物館:美術品やその作者にまつわる資料を展示しているところ(要は美術館のことだが、特定の芸術家に焦点を当てた場合は歴史博物館の要素もあり)
科学博物館:自然科学に関する展示をしているところ(「〇〇科学館」のようなところ)
といった意味合いだと思います。

ともあれ、これだけたくさんの博物館があれば、下調べをせずともふらりと寄った町に博物館が存在する確率は高いですね。
ご参考までに「一般社団法人路上博物館」リンクを貼ります。

文化庁が公開している「登録博物館、博物館相当施設及び公開承認施設一覧」に基づいた、博物館・美術館の位置情報をわかりやすく記してくれています。


まとめ

論も締めに入ります。
長々と書き連ねましたが、
「博物館で得られる知識・体験は、これまで興味の抱きようがなかったようなもので、そこでは知的好奇心が否が応でも掻き立てられる。
しかも、得られる知識・体験の総量への対価は相当低い。」
ということを言いたかったのです。
知的好奇心などというと意識高めか?と思われるかも知れませんが、場所によっては展示方法に工夫を凝らしていて、非常に楽しめます。
皆さん、ぜひ博物館巡りを楽しんでください。

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