読書感想文 〜項羽と劉邦中巻〜

司馬遼太郎の項羽と劉邦という本の中巻を読みました。
なぜ中巻を選んだかというと、劉邦と項羽の出生や、最後はとても有名な話で皆さんご存知だと思い、せっかくなら興味を引けるようなものを感想文にしたいと思ったのです。
ここから簡単にですが劉邦についての感想を書きます。

劉邦は実父や長兄からごろつきであるとして疎まれていたため生家そのものを乱世に投げ入れて自分の勢力とすることができなかったため、最初から核を血族以外に求めざるを得なかった。そのことが劉邦を劉邦たらしめたといえるであろう。劉邦は主将自ら武器を奮って敵陣に乗り込めるような、個人的戦闘力は持っていなかった。

劉邦の長所は劉邦という人間が作り出す、雰囲気や風潮が味方陣営の士気を高い状態に保っていたことや、人を包み込み、些細なミスや欠点などは、見ずにその人の長所や功績を誉めて適材適所へと配置し、劉邦と接するとなんとも言えぬあたたかさを感じられた。そして、成果を上げた者への恩賞は惜しみなく与えた。寛容さと気前の良さという劉邦の特性は劉邦が能無しであることを差し引いても眼を見張るものであった。肝心の戦の方は一向に良くならないのに劉邦軍はつよかった。
劉邦は日本で言うところの「徳」という説明し難いものを人格化したようなリーダーだとおもった。

劉邦はいわゆる歴史上の英雄とは全く違う形であり、どちらかというと現代のリーダーにあるべき資質を備えた人物だと思ったのでもっと劉邦のことをこれから深掘りして行って実生活に役立てていきたいです。

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