高山植物を撮る
小さな花の妖精
山を歩く楽しみのひとつに、小さくて可憐な花たちが風にそよいでいることである。
特に春から夏にかけて、その数は増し、色とりどり、形も様々、咲く場所もまちまち。その山にしか咲かないという固有種もある。
私は、特別な想いはないのだが、可憐で清楚な花を見かけると、ふと足が止まり、写真を撮ってみたくなる。
花たちは、小さく風にそよいでいる時が多く、手ブレ、ピンボケの他に被写体ブレで、なかなかピタッとした写真を撮らせてくれない。ストロボを当てるという手もあるが、できれば自然の中の光に包まれた花を撮りたい。
逆光に輝くイワウチワ
春の訪れを真っ先に知らせてくれる花、イワウチワ(岩団扇)を撮りたくて近所の山へ出かけた。低山の裾野に群がって咲くこの花を求めて、たくさんの人が登ってきた。
私は登山道にある形の良い花を選んでいる。すると逆光に輝く一輪を見つけた。そして、這いずくばって撮影した。
花の他にも逆光に光る葉などがあったら、主役をこわしてしまうので、敢えて背景を真っ黒に潰《つぶ》してみた。
カタクリ(片栗)のpurpleに惹かれて
カタクリは早春の訪れを先駆けて咲く花。群落も見事だが、寄り添う二輪の花もいい。
大人っぽい、セクシー、不安、神秘的などの意味があり、 ミステリアスなイメージを感じる花。心を落ち着かせる効果があるとか。
サンカヨウ(山荷葉)は清楚
白い小さな花は、雨に濡れると花びらが透き通ることで神秘的な花と慕われている。清楚で可憐、透明な花びらを見れるのは強運の持ち主かも。
イワカガミ(岩鏡)は、ピンクの乙女
私が、一つの茎にこれほど集まって咲いているのを見たのはこの山だけ。ピンク色した小さな花は、可愛らしい少女のようだ。
花の名前は、花ではなく、葉っぱが由来となっていることが多い。この岩鏡も葉っぱが固く鏡のように光っているから名が付けられている。
クルマユリ(車百合)
ユリの中で、最も標高の高い所に咲く車百合。北に行くほど低山でも見かけることができる。茎の中ほどにある葉が、車の車輪のようについていることから名がつけられている。オレンジ色と青色は、補色(相対する色)の関係にあるので、引き立って見える。
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