見出し画像

学校のトイレをなんとかしたい。

私は公立高校で教員をしています。
学校のトイレをなんとかしたい。そのために声をあげること。
それがいま私が未来のためにできることです。

財政状況の地方公共団体は、建物の長寿命化計画を進めており、目標使用年数を100年にしているとのこと。トイレの老朽化は進むばかりです。

春に入学したばかりの男子生徒が、「この学校のトイレは刑務所よりひどい」と嘆いていました。男子トイレの小便器は、ハイタンク方式といって、時間になると一斉に洗浄されるようになっています。逆に言えば、使用後洗浄される時間まで放置されるので不衛生ですし、すぐに流れてくれないトイレに新入生は戸惑います。
和式トイレは少しずつ洋式に変更されていますが、電源が取れないということで暖房便座は使えません。冷たい便座に座るなんて、学校以外のトイレでは経験したことがありません。また、窓には網戸がないため、虫が入り込むこともしばしばあります。壁のタイルもあちこち剥がれ落ちていますが、改修の要望は通りません。

生命の危険に関わるか否か。
これで予算配分の優先順位が決まるのだそうで、トイレは後回しです。
確かに、いくらトイレが古くても生命には関わりないかもしれない。でも、心は荒んでいきます。学校は生徒たちにとって戦場です。勉強、スポーツ、ルッキズム。常に誰かと比べられ、競わされる日々。教室や体育館やグラウンドで、彼らは戦っています。そんな彼らが日に数回は行くであろうトイレがこんな現状なのです。

生きていく上で必要な行為である排泄は、人間の尊厳に関わるものです。
そして、学校のトイレは排泄の場であると同時に、生徒たちにとっては、一人になるための場所であったり、友に本音を漏らす場であったりします。

高齢化が進む日本では、若者たちはもはや少数者、マイノリティです。
マイノリティであるということは、彼らの声が社会に届きにくいということです。
だからこそ、かつて若者であった私たち大人が、彼らの分まで声を上げていく必要があると思うのです。

学校のトイレのことを真剣に考えてみませんか。

#未来のためにできること

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?