LGBT法、調べてみたら⚪︎⚪︎だった!?Part.2

※この記事は、『LGBT法、調べてみたら⚪︎⚪︎だった!?Part. 1』の続きです。


 『Part. 2』では、学校でのLGBT教育について考えていきます🕵️‍♀️🔎✨

学校でLGBT教育?

 法律の第六条の二項は、学校が子どもに対して、LGBTの理解増進のための教育をすることを定めています。

(事業者等の努力)
第六条
2 学校(中略)の設置者は、基本理念にのっとり、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関するその設置する学校の児童、生徒又は学生(中略)の理解の増進に関し、家庭及び地域住民その他の関係者の協力を得つつ、教育又は啓発、教育環境の整備、相談の機会の確保等を行うことにより性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する当該学校の児童等の理解の増進に自ら努める

  ところで、日本に先駆けてLGBT法が成立したアメリカの一部の州では、どんなLGBT教育が行われているのでしょうか。

マイノリティーへの過剰な配慮により、子どもへの性教育のあり方が過激になってしまうことにもついていけない人は多い。リベラル優位の州では、小学校で「性別は選べる」「自分が思い込んでいる性と違う場合もある」というようなことを教える自治体が増えている。(強調は筆者)

東洋経済オンライン「リトル・マーメイドも叩く過剰リベラルの罪ー行き過ぎたリベラルに戸惑うアメリカ人たち」

 性の知識が未熟で、心もからだも発達途上にある小学生に、「性別を選べる」「自分が思い込んでいる性と違う場合もある」と学校で 教えるのは、本当に必要なことでしょうか?

 また、ロイターの記事によると、アメリカではトランスジェンダーの未成年者が増えるにつれ、性別適合のための医療やケアを受ける数が増加しているとのことです。

ロイターの依頼でコモド(医療技術企業コモド・ヘルス)が集計したデータによると、2021年に「性別違和」と診断された米国の子どもと10代の若者は約4万2000人で、2017年の3倍近くに増えた。性別違和とは、自認する性と、出生時に判断された性の差に起因する苦痛、と定義される。

2017年から21年にかけて性別違和と診断された6歳から17歳の米国人は少なくとも累計12万1882人に上った。〈括弧内は筆者による追記、強調は筆者〉

ロイター「アングル:トランスジェンダーの未成年、米で治療件数が急増」

  この記事には記されていませんが、治療件数の大幅な増加の背景には、子どもに対するLGBT教育と何らかの関係があることは想像に難くありません。

行き過ぎた性教育を防ぐ為に

 LGBT教育は、性を扱う教育です。行き過ぎた性教育を防ぐ為に、どこまで“具体的に”教えるのか、そして、学校における初の試みとなるLGBT教育を“誰が”教えるのか、については、保護者にとって非常に気がかりな所です。

 これについては、参議院の内閣委員会で行われた質疑で、自民党の有村治子議員と山谷えり子議員により、有益な答弁が引き出されています。

どこまで教えるのか?

【有村議員の質問】

Q.小中学校における性教育においては、男女の性行為、すなわち具体的な性交の方法について取り扱わない旨、学習指導要領で規定している。今後、LGBTに対する社会の理解が進んだとしても、LGBTの方々の性行為や性的描写について、具体的に学校で教育する趣旨ではないという理解でよろしいか?(注1)

【文科省の答弁】

A.本法案は、児童生徒に具体的な性交の方法を教えることを目的としたものではないと理解している。
 また、小中学校及び高等学校における性に関する指導に当たっては、発達の段階を踏まえること、学校全体で共通理解を図ることなどに配慮することとなっており、この点を踏まえた指導が行われるべきものと考えている。(注2)


  文科省がこのような認識を示したことで、学校のLGBT教育で、同性どうしの性行為の方法について教えたり、子どもの発達段階を無視した教育を行ったりすることに、一定の歯止めができたと言えます。


誰が教えるのか?

【山谷議員の質問】

Q.教育に与える影響、様々な団体が学校現場に入って、発達段階を無視した教育を行ったり、性的マイノリティーの児童生徒の権利を過大に要求したりすることによって、学校現場が混乱することはないかという声があるが、どう取り組むのか?(注3)


【文科省の答弁】

A.学校教育の実施に当たっては、家庭、地域等の協力を得ながら実施すること、第十条第一項を踏まえ、学校においても心身の発達段階に応じた対応をしていくこと、第十二条も踏まえ、性的マイノリティーの児童生徒への配慮に当たっては、他の児童生徒への配慮もしながら支援を進めることが重要であること等に留意しつつ、引き続き適切に実施していく必要があると認識している。(注4)


 LGBT教育は前例がなく、専門家ではない学校教諭が教えるのは、非常に難しい分野だと言えます。そこで、企業等のLGBT研修に講師を派遣している様々な団体が、学校教育にも登場する可能性があります。

 しかし、そのような団体は、子どもに対する教育の専門家ではありません。団体の中には、性的少数者の権利を過大に要求したり、子どもにふさわしくない、過激な性教育を行おうとしたりするものもあります。そのような団体が学校現場に侵入することは、未然に防がなければなりません。実際にアメリカでは、行き過ぎたLGBT教育のせいで、子どもが自分の性について混乱してしまう事例が起きています。

 法律では、学校でのLGBT教育について、「家庭、地域等の協力を得る」ことを求めています。確かに、家庭や地域等が関わることで、学校現場で勝手なLGBT教育が行われることを防げるかもしれません。

 しかし、学校で「何を教え、何を教えないのか」については、本来、国が“先に”基本計画等でしっかりと決めておくべきだったのではないでしょうか。法律に「協力を得る」という文言を入れることで、国が家庭や地域等に問題を押し付けているように感じます。


 次の記事は、いよいよ最終回です。今までどおり、私たちが安心して生活できるようにするためには、何が必要なのかを考えていきたいと思います。

【『LGBT法、調べてみたら⚪︎⚪︎だった!? Part. 3』に続きます🕵️‍♀️✨】


脚注

注1 第211回国会 参議院 内閣委員会 第19号 令和5年6月15日 会議録
(発言のURL
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/121114889X01920230615/15 )

注2 同上(発言のURL
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/121114889X01920230615/16 )

注3 同上(発言のURL
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/121114889X01920230615/32 )

注4 同上(発言のURL
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/121114889X01920230615/33 )

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