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芦原先生急死の件で思うこと

芦原先生のご冥福をお祈りします。
本件、記事にしようか悩みましたが、日テレや小学館の事後対応をニュースで見て、憤りを感じたので、どうしても発信したいと思い、意見をまとめました。

さて、事件の詳細は連日のニュースで報道されているのでこの場では割愛しますが、この問題の重要なポイントは、
1)芦原先生が出された条件を各方面が無視したこと
2)その後の対応が非常にまずかったこと
3)視聴者である我々のニーズが変化したこと
の3点だと考えています。1つずつ見ていきましょう。

まず初めに、芦原先生の条件を各方面が無視したことについてです。
芦原先生が出された条件は、原作漫画は未完で結末も決まっていないことから、
1)ドラマ化にあたっては「必ず漫画に忠実に」
2)作品の今後に影響を及ぼさないよう「原作者があらすじからセリフまで」を用意すること
3)「原作者が用意したものは原則変更しないでいただきたい」こと
4)「ドラマオリジナル部分については、原作者が用意したものを、そのまま脚本化していただける方を想定していただく必要」があること
5)「場合によっては、原作者が脚本を執筆する可能性もある」こと
の5点とされています。
ドラマはどうしても放送の枠が決まっています。
まとめきれなかったから1話分(60分)追加!などできません。
いかに物語がおかしくならず、要約するかが重要です。
しかし、今回制作陣は芦原先生の出された条件を見事なまでに無視をして、原作者に敬意を持つどころか邪魔者扱いしました。そこが大問題です。
あまり良い例えでは無いかもしれませんが、我が子を勝手に取り上げられ、整形させられて、別人にされたら皆さんどう思うでしょうか。
0から1を作り出すのは本当に大変なことです。
何故、人は上流、下流と立場をはっきりさせ、マウントを取ろうとするのでしょうか。
お互いの言い分を伝え話し合い、妥協点を探すのが社会人の基本なのではないでしょうか。

次に、訃報後の各方面の対応がまずかったことについてです。
誰でもミスや間違いをします。今回の件を「仕方ない」でまとめるつもりはありませんが、何か起きてしまった後は、謝罪をして、何故起きてしまったのか、どうすれば良かったのか、今後どうするのかの3つを発信しないと相手は納得できません。
これも、社会人の基本です。
それをどうでしょうか。初めは小学館も日本テレビもだんまりをして、社外への説明はしないと社内通知をする始末でした。
大問題です。何か起きた時に責任と対応を取らなければいけないのが担当者と上の役目です。
それを雲隠れしようとしたことは卑怯でしかありません。
苦手な野菜を食べられない子供が、親や先生に隠れて隠すのと同レベルのことをいい大人がやりました。
些細なことでも直ぐに炎上する可能性がある昨今。
対応方法とスピードの速さが求められていたのではないでしょうか。
YouTuberであるヒカキン氏が文春に報道された時、真っ先に謝罪をしました。そして悪かったことは悪いと言い、世間に誤解されていることはしっかり伝えて訂正する。
この対応こそが今回必要だったと思います。

最後に、視聴者である我々のニーズが変化していることも、少なからず関係しているのではないかと思います。(決して視聴者が悪いと言いたいわけではありません。)
ひと昔前はドラマを観たら、翌日会った人に話をして盛り上がるなど、話をするまで時間が空いていました。
しかし、現代はネットの普及により、当日感想を言い合うなど、スピード感が段違いに早くなっています。
また、番組や配信先・方法が増えたことで一気に情報に溢れたことで、1つよりも2つと、沢山観る人が増えました。
その結果、1.5倍速や2倍速などの倍速で観る視聴者が、または、スマホで別の作業をしながらドラマを観る視聴者が増えたことで、細かい描写を入れても伝わらない現象が起きてしまいました。
そうなると、難しい内容にするとウケがわるくなるため、ドラマの内容は、誰にでも分かる簡単な内容にしざるを得なくなります。
制作関係者は皆株式会社です。
視聴率が悪ければスポンサーも付きにくいので、どうしてもお金を出してもらうためには、視聴者のニーズに合わせて変更をしなければいけないのではないでしょうか。
我々視聴者が悪いとは言いませんが、我々の視聴方法も考えなければいけないと思います。

客観的に、全体を把握しなければ問題は解決しません。
皆さんはこの問題、どうお考えでしょうか。
私はドラマの在り方から変えていかなければこの問題は解決しないと思っています。
今後、このような悲しいニュースが起きないことを祈るばかりです。
今回の事件をきっかけに、1人でも多くの方が考えてもらえたら幸いです。

■参考
文春オンライン
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