見出し画像

とうとう来ました、審判の日

腎臓病の夫との、静かなバトルの日々25

数か月振りの診察日です。

この1か月間、自分のある知識はみんな使って料理をし、出来る事はみんなやったと言う自負はあります。ただ、夫は買い物をして料理を作り、お弁当も持って仕事に行きますし、病状にそぐわない食生活を変える事はそんなに簡単には出来ませんでした。ただ気まぐれに、私の作ったものを少しは食べてくれる時もあったり、要らないからと捨てようとしたりその小さな違いがあったか無かったかというくらいです。
ナンを2枚も食べるカレー屋さんに、2回も行ってしまったし、私が魚を買うようになり、夫も魚を買って来る事が増えましたが、食する量が変わらないので、肉食とそう変わらない影響がありました。

カリウムと尿酸値…

私のやった事は、病状を改善する何の役にも立たなかったのです。それどころか、夫の腎臓の状態は3か月前の状況よりも確実にかなり悪くなっています。

前回の診察の時は、まだ寒い時期で血圧も高め、風邪をひいていて体調も良くなかったので、また、去年も真冬に結果が悪くなっていたけれど、春になって体調も戻ると結果も良くなったことが多かったので、油断していました。
間違いなく、夫の身体は病気に蝕まれて行っているのです。


食事を変える事は夫にはできません。このままを続けると、確実に生活を破綻させる時が遠からず来ますので、その事を言い続けます。
「…どうせダメなら、お酒でも美味しいものでも、沢山食べるかな。」
そう言って苦笑いします。全く何かを変えようとか食事量を減らして対策してみようと言う気はないのです。

子供達や親せき達は言います。
「貴方がしっかりと管理しないから、放っておくからこんなことになったのでしょう。」
「お父さんに買い物に行かせるからいけないんじゃないの?お金を渡すのをやめなさいよ。」
それはわかっているんですけど、ね。
元々腎臓が悪くは無かった夫は、4年前に重症な感染症のために一過性に急性の腎不全に陥った事が原因で腎臓を壊してしまったため、元々の食生活や行動が悪くてそうなってしまったわけでもないのです。

🐸庭石菖


だからと言って、甘く見てはいません。
本当のところは、ここで奮起して、食生活を見直し、仙人の様に霞を食べて生きるような生活をすれば、きっとまだ期間を延ばすくらいはできるはずなのです。

子供や私よりも早く、一日の仕事が終わる夫は、電動自転車で家から遠くの貸農園に行き、畑で仕事をした後家に帰って来ます。温かくなり発汗量も増えるこの時期は悪くなる場合が多いのですと、ドクターは言っていました。
「ともかく多くお水を飲んで。」

私がつきっきりで世話をしようとしても、夫は受け入れないし、自らで食事を作って食べると言う人生を手放さない。

ご近所の喫茶店で


本当は、スーパーもお酒も売っていないド田舎に引っ越して、畑で採れるものだけを食べて生きて行きたかったのです。
自分の家に住んで、自分の畑に食べ物を作り、それだけで生きて行くと言う事が出来れば、夕方美味しい菓子パンをいくつか買って帰り、コーヒーと食べる楽しみは失われますが、ギターも歌も、思い切りできるし、病気のために良いのではないかなと思います。
だけど私の社会的役割もあるし簡単にはできませんでした。

成人病体質、肥満体野生児夫がこうなることは、薄々わかってはいたから、早くから田舎生活をしたいという希望は持っては居ましたが、まだ子供も学生をしておりここでも急には状況をかえられませんでした。

本心では自分の生活も社会的役割も地縁もすべてをかなぐり捨てても、夫との静かな生活を守る気持ちで居ます。

でもそれを貫くには経済的にも地理的にも困難なのです。
まだまだ長い道のりです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?