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「TEDxUTokyo2024」に行ったら白昼夢にいざなわれました

こんにちは、会社を辞めて大学院に通っている嶋菜子です。

先日 TEDxUTokyo という素敵なイベントにお邪魔しました。
TEDと同じくスピーチやワークショップを楽しめるイベントで、無邪気に没入した先にたどり着いたのは白昼夢のような世界でした。

この感動を残しておきたく、全身をもう一度TEDxの空間にワープさせながら書いていきます。
(一生懸命書きますがもし間違った情報があれば関係者さんにご指摘いただけると嬉しいです…!!)

当日の様子

TEDxUTokyoとは

TEDとは


 TED をご存じな方は多いのではないでしょうか。
様々な分野のスピーカーが講演を行うイベントで、私はリスニングの練習でよく聴いていました。

スピーチばかり注目されがちですが、実はワークショップや食事を通じて参加者同士がつながる機会が多く設けられており、入場料はなんと1万ドル(約150万円)だそうです。
※TED Nextという新たなイベントが2024年に開催されるらしく、その入場料は2,800ドルでした。

TEDxとは

TEDx は世界150か国で結成されている団体で、「X」には独立しているという意味があります。TEDからライセンスを取得していますが、その運営にTEDは関与していないそうです。

TEDxUTokyoとは

大学とTEDがコラボした日本初のTEDxUniversity です。2012年に初開催し、大学開催のTEDの牽引的存在となったそうです。一時期は活動中止していましたが、2022年に復活を遂げました。

名前の通り活動拠点は東京大学ですが、メンバーは周辺の様々な大学から構成されており、今年の代表さんも東大以外の方だった気がします。

公式アカウントさんはこちらです。


TEDxUTokyo2024 daydream

daydreamに込められた想い

私が参加したTExUTokyo2024のテーマはdaydreamです。運営さんがdaydreamに込めた想いを100%理解できたわけではないかもしれませんが、私は現実とそうでない世界の曖昧な境界をさまよう体験だと解釈しました。

生きている中で何が現実で何が現実ではないかなんて考えることは多くありません。しかも、何を現実とみなす(みなしたい)のかは人によって異なります。

だけど、現実とそれ以外の世界の境界線にあえて意識を向けてみる。自分が今どこで何をしているのか、積極的に認知してみる。そんな体験を通じて、「わたし」という存在が力強く浮かび上がってきました。

スケジュール


10:00 開会
10:20 On-Stage Session1
11:30 Lunch Session
12:35 On-Stage Session2
14:00 Off-Stage Session1
16:20 On-Stage Session3
18:00 Off-Stage Session2

3度の On-Stage Session(スピーカーによる講演)と、2度の Off-Stage Session(体験ブース)から構成されます。お昼の Lunch Session では香ばしいいなり寿司をいただきました。

On-Stage Session



ここからは、各セッションから抜粋してご紹介します。
On-Stage Session では計9名のスピーカーさんが素敵なアイデアを披露してくださりました。

身体情報学や認知行動療法の研究者さんから、講談師や俳人の方まで、私が普段交わることのないジャンルばかりで一言一句が新鮮に響きました。素人にもわかりやすい言葉選びでありがたかった…!!

トップバッターを務めた「幻視譚」さんはスピーチではなく演劇で会場をTEDxモードに包んでくださいました。
幻視譚さんの生命を感じさせる表現を観ていると自分の身体の中で働いている細胞たちに意識が向いてきて、不思議な感覚に陥りました。

他8名はスピーチで様々なアイデアを表現してくださいました。
例えば本と出会うための本屋「文喫」を運営してらっしゃる有地さんからは、本を読まずに使おうという斬新なアイデアをいただきました。
本屋さんなのに、本は読まなくてもいいという考えが面白かった...!!!

Lunch Session


Lunch Session は、その名の通り昼食をいただく時間で、運営の方々がご用意してくださいます。

いただいたのは、福寿家さんの伊奈利寿司・ロールです。一口サイズで食べやすく、味もしみしみで美味しかったです。(写真撮り忘れた…)

Off-Stage Session


2度の Off-Stage Session では、ワークショップや参加者交流を楽しみました。知らぬ間に勉強になるゲームや画像生成AIを使ったグッズ作成体験等、普段することのない体験が目白押しです。

私はけん玉できた!VR というブースに行ってみました。(東京大学身体情報学研究室 稲見・門内研 主催)
VR空間で5分程度けん玉の練習をすることで、スムーズに技を習得できるというものです。たった5分で習得できるのか半信半疑でしたし、たくさん人が集まっている中できなかったらどうしようというプレッシャーを抱えながらいざ実践。

VR空間で練習中

VRでの練習を終え恐る恐る実際のけん玉をしてみたところ、無事にできました!!!(もしかめという初級の技です)
科学のチカラを思い知りました。楽しい体験をありがとうございました。

技ができるようになって喜ぶ筆者

この後もいろんな体験をしつつ、疲れたら Yogibo ゾーンで休むことを繰り返しました。休む場所も用意されていてありがたかった…。

イベントの最後には kisato さんによるサンドアートを観ました。音楽に合わせて砂で竹取物語を描く様子に引き込まれて、しだいに自分はかぐや姫なのではないかと思ってしまいました。公園や道端に落ちている砂はただの砂ですが、kisato さんの手に渡ればこんなにも人を感動させられる道具に変わるんですね。

スクリーンに映し出されるサンドアートの様子

白昼夢な一日をありがとうございました

TEDx の目的の一つはアイデアを共有して現実をより良くすることだと思いますが、今回の経験は同時に幻想的でもありました。その理由は最先端の研究やVRを目の当たりにしたからだけではありません。

今この場にいるという偶然を全身で噛み締めながら、空間を共有している他者や地球の裏側にいる方々に想いを馳せてみたからかなと思います。
同じ地球に存在していても、人それぞれが感じる現実は違います。そして他者が感じている現実を私が100%感じることはできません。その80億通りの現実を想像しながら、私は私の世界を彩っていくしかないんだなあという荘厳な気持ちに浸りながら一日が幕を閉じました。

きっとこのように感じたのは、運営さんが最初に daydream の説明をしてくださったからです。その説明がなかったら、深く考えずに一日を終えていたかもしれません。(それもそれで良い日だけれど)
他者の言葉がきっかけでその日の過ごし方がこんなに変わるって人間的でいいなあなんて思いながら、今日も研究に励みます。(とても現実に引き戻されている)





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