12話 黒いおじさんがいる

レオパレスを彼女の為に借りて、引っ越しも終わったので自分は実家に帰りました

ところがすぐに電話が掛かってきて、過呼吸になっていました
すぐに彼女のアパートまで行って落ち着かせて話を聞きましたが、彼女は
『誰か部屋に入ってきて自分の中に入った』
と言うではないですか

なんか1人になって怖かったのか、なんなのかわかりませんが彼女の様子もおかしいのです
自分には見えない物が見えているようで
『黒いのが入ってきた』
ようです
聞いているこっちも恐怖

初日から何が何だかわからない状態で、このまま帰るわけにもいかずその日は彼女の住むアパートに泊まりました

翌日も彼女は怯えていて、1人になるのが嫌だという事でそこから同棲する形になりました

彼女によると黒いものは
【黒いカッパみたいなのを着た黒いおじさん】
で、悪霊だと言っていました
ふとある時に出てきてこっちを見ている
大きさは小さい時もあれば大きい時もある

とにかく彼女はこの黒い悪霊に怯えていました

幽霊だとか悪霊だとか当時は信じてないというか、気にしてなかったので親からの虐待や色々で精神的におかしくなってしまったのだと思っていました

過呼吸になる事が結構あったので、病院に連れて行くと、心療内科に案内されました
その先生とはもう20年以上の付き合いとなっています

病院では、医者の立場上これは悪霊の仕業ですね!なんて言えないので、精神安定系の薬を処方するしかないのでした

もう彼女には自分しかいないという状況で、自分もまた自分がなんとかするしかないとしか考えられなかったので、とにかく必死になんとかしようとしてましたね

薬で症状は多少抑えられたのですが、これはまだ序章だったのです

つづく

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