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冷蔵庫




1997年9月1日(月)
いかがわしいと言おうか、巨悪にすっかり漬かっているおじさんたち──ヨーロッパとインドの商人たち──がわたしをだまくらかそうとしていた。
わたしは拒絶した。
「そーだ。不正なカネで買ったものなど受け取らなくていい!」と大島がうなずいた。
「不正なカネで買ったもの」というのは大瓶いっぱいのチョコレート(ミルク、ビター、ホワイト)だった。

わたしは冷蔵庫の中に隠れることにした。
隠れる間、黒と茶の女がおじさんたちの目を欺く。
冷蔵庫のドアが閉じられた。中はオレンジに明るく、適当に暗く、静か。しかし狭い。この前より狭苦しく感じる。太ったのだろうか。
寒い。
温度計はあるが数字を読まない。
空気は大丈夫だろうか。
少し開けようかな・・・だめだ。

2022年7月2日(土)
母はわたしに非道なことをしたあと、チョコレートをいっぱいに詰めたガラス瓶を机に置くことがあった。

*
2022年7月16日(土)
ヨーロッパとインドが「悪役」として出ていますが、「夢」を口実に彼の地域や人びとを貶める意図はありません。
ヨーロッパとインド、日本を含む世界の地域にはそれぞれ肯定的な面があり否定的な面があるとわたしは考えています。


龍の文字

1997年9月1日(月)
龍(の文字)について説明されていた。
龍にはさまざまある。弓と月を持つ龍、羽のある龍、炎(ほむら)の龍など。


音で伝える

1997年9月3日(水)
藍の半天を着た、丸い頭の老人が呼ばれた。下の部屋。
喪服のK叔母さんが老人に、何かつくりましょうか?と声をかけた。
叔母さんは食事に気を遣っていた。

わたしは真っ黒の中でおじいさんのお弁当を見た。色とりどりのおかずがおいしそうだった。黒の器の中には赤、緑、黄、茶、白。

何かが刻むリズムを聞きながら、わたしは何かを鳴らして合図した。
ことばよりもその「音」には多くの情報を盛ることができた。
──おじいさんのお弁当はおいしくて十分栄養がある。叔母さんは何もつくらなくていい──
考えて「音」を使ったわけではなく自然にそうしていたのだった。

上の部屋。おじいさんが皆に受け身──転び方を見せる。
空の2段ベッドの上段で、洗ってなれた藍の半天を着たおじいさんが、くる、くる、と2回転がった。まるでボール、音も立てなかった。全て吸収しているようだった。どうしたらあんなふうにできるのか、驚くほかなかった。

お弁当を広げるおじいさんに、ほかに何かつくりましょうか?とまた声が。
ほかのものなど来たら食べきれない。おじいさんは自分のお弁当をしっかり食べなければならないのだし、食べたいのだ。
「両方残すようなことになるから」とわたしは言った。

おじいさんが、さっき、ことばではなくて「音」を使ったのは凄くよかった、と喜んでほめてくれた。
「音」にあんなに気持ちを盛れると思ってもいなかったので、とてもうれしくおじいさんのことばを聴いた。




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